2015 Fiscal Year Research-status Report
O.minuta酵母の基礎生物学を進めるための遺伝学的基盤解析系の確立
Project/Area Number |
26450111
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
横尾 岳彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 創薬基盤研究部門, 主任研究員 (60358306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 靖典 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 創薬基盤研究部門, 上級主任研究員 (00357500)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | メタノール資化性酵母 / 接合 / 胞子形成 / 自律複製配列 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタノール資化性酵母 Ogataea minuta において自在な遺伝学的解析を可能とすべく、有性生殖が可能な株を確立し、また、染色体に組み込まれることなしに自律的に複製可能なプラスミドの構築を行うことを目的とする。平成 27 年度は、以下のような研究を行った。
O. minuta NBRC 10746 株が接合・胞子形成を行う条件を探すため、ゲノム上の TDH1 遺伝子座位にハイグロマイシン B 耐性遺伝子を挿入した株と、ゲノム上の AOX1 遺伝子座位にゼオシン耐性遺伝子を挿入した株を作製した。これらの株を様々な培地の上で混合し、いくつかの温度条件下に置いた後、ハイグロマイシン B かつゼオシン耐性の株が得られるかを調べたところ、2% モルトエキス培地上に 25℃ で置いた場合に両薬剤に耐性の細胞が得られ、この条件を用いれば効率的に接合・胞子形成を起こすことができることを明らかにした。 前年度に取得した、自律複製配列(ARS)の候補を含むプラスミドの保持率を測定した。多くのプラスミドは一晩培養すると、保持率は 5% 程度にまで低下したが、ときおり 100% 近い保持率となる場合があることを見出した。環状プラスミドであってもゲノム上に取り込まれるイベントが生じ、このときに保持率がほぼ 100% を示すと考えられる。ARS のみをプラスミドに導入するのでは高保持率が期待できないことがわかったため、セントロメア配列をゲノム上から探すこととした。 O. minuta NBRC 10746 株の接合型はα型であることが前年に判明している。同一バックグラウンドで a 型の株を取得することを試みた。いろいろな条件を試した結果、胞子形成条件においた細胞を 50℃ で 10 分処理することにより、a 型株を取得することに成功した。熱を加えることにより、胞子が濃縮されたためと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記述した研究実施計画におおむね沿った形で研究が進められているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
おおむね今の方向性を保ちつつ、さらなる研究の進展を図る。
|
Causes of Carryover |
研究補助者の雇用期間が当初想定していた期間よりも短くなったため、平成 27 年度には人件費として想定していた額に残額を生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成 28 年度においては、次年度使用額を充当して研究補助者を当初計画の期間より長く雇用することとし、研究の加速を図る計画である。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
-
[Presentation] 酵母と糖鎖の話2015
Author(s)
横尾岳彦
Organizer
第2回未来生物学研究会
Place of Presentation
東京理科大学森戸記念館(東京都新宿区)
Year and Date
2015-06-14
Invited