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2014 Fiscal Year Research-status Report

マスカット・ベーリーAワインの品質向上に関する革新的技術開発

Research Project

Project/Area Number 26450174
Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

岸本 宗和  山梨大学, 総合研究部, 准教授 (20603195)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 柳田 藤寿  山梨大学, 総合研究部, 教授 (50202370)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsワイン / 香気成分 / マスカット・ベーリーA
Outline of Annual Research Achievements

マスカット・ベーリーA(MBA)種ブドウは、我が国を代表する赤ワイン醸造用品種の一つであり、本種から醸造されるワインは、甘い果実様の香りを有することが特徴である。本研究では、MBA赤ワインの香りに寄与する香気成分の特定とそれらの含有量を高めたワインの新規醸造方法の開発を目的とする。本研究の成果は、今後、国外への輸出が見込まれるMBA赤ワインの品質向上に大きく貢献することが期待される。本年度は、市販MBA赤ワインの香りに寄与する成分を探索するとともに、ワイン醸造条件が香気成分の含有量に及ぼす影響について検討した。市販MBA赤ワイン20点の分析において、γ-nonalactone、γ-decalactoneのγ-ラクトン類の他、4-Hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanone、β-damascenoneの甘い香りを呈する成分が見出され、これらの含有量と閾値からMBA赤ワイン香気への寄与が推定された。4-Hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanoneは全ての赤ワインにおいて閾値を大きく上回って含まれており、γ-ラクトン類は、同じMBA種ブドウから醸造されたロゼワインに比較して含有量が多いことが明らかとなった。また、これらの香気成分の含有量は、カベルネ・ソービニヨン種赤ワインと比較すると大きく異なり、ワインのタイプやブドウ品種に依存することが認められた。さらに、MBAを原料とするワインの試験醸造におけるこれらの香気成分の含有量は、ブドウの成熟の程度、発酵時のブドウの果皮や種の存在、微生物の種類などに応じて異なる可能性が認められたことから、今後詳細な検討を進めて行く予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

香気成分の含有量が微量であり、夾雑物の影響もあったことから、GC-MS分析条件の検討に想定以上の時間を費やすことになった。このことが、当初の計画からの遅れにつながった。市販MBA赤ワインの分析における香気寄与成分の探索については概ね予定通りであり、γ-ラクトン類以外にも4-Hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanoneやβ-damascenoneの香りへの寄与を推定することができた。また、香気成分の含有量に及ぼす醸造条件の影響の解析については、果皮や種の影響などを含めて、次年度につながる研究が実施できた。しかしながら、γ-ラクトン類の生成機構の解明については研究途中であり、早急に進めて行きたいと考える。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究において、香気成分の含有量がブドウの成熟の程度、発酵時のブドウの果皮や種の存在、微生物の種類などによって異なる可能性が示されたことから、今後の研究においては以下を重点的に進める。
1.γ-ラクトン類の生成機構の解明
赤ワインの醸造では種や果皮を一緒に発酵するため、これらに含まれる成分、例えば不飽和脂肪酸などが前駆体となり、微生物の働きによってγ-ラクトン類に変換される可能性が考えられる。そこで、種や果皮の不飽和脂肪酸がγ-ラクトン類の前駆体に成り得るかどうかを検証して生成機構を明らかにする。
2.ブドウの成熟度合いとワイン醸造条件が香気成分の含有量に及ぼす影響
ブドウの成熟度合いによって香気成分やその前駆物質の含有量に差異が生じる。さらには、醸造条件によってそれらのワイン発酵果醪への抽出量が異なり、発酵に関わる酵母や乳酸菌の種類によって前駆体から香気成分への変換効率が異なることが予測される。そこで、種々の条件下でワインの試験醸造を行い、ブドウの収穫時期、果皮と種を接触して発酵する温度や期間、酵母や乳酸菌の微生物(菌株)の違いがMBA赤ワインのγ-nonalactone, γ-decalactone, 4-Hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanone, β-damascenoneの含有量に及ぼす影響を明らかにする。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Remarks (2 results)

  • [Remarks] 山梨大学ワイン科学研究センター発酵微生物工学研究部門

    • URL

      http://www.wine.yamanashi.ac.jp/microbiol/microbiol.html

  • [Remarks] 山梨大学研究者総覧

    • URL

      http://erdb.yamanashi.ac.jp/rdb/A_DispDetail.Scholar

URL: 

Published: 2016-05-27  

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