2015 Fiscal Year Research-status Report
加齢性疾患に対する高次機能性きのこ栽培技術の開発とその効能評価
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26450235
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
江口 文陽 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60337467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬山 智子 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (20596697) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | きのこ / 加齢性疾患 / 炎症 / 担子菌 / 生活習慣病 / 脳内モノアミン / 酵素 / ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、高度な医療技術の進歩により従来、治療を困難としていた疾患も早期発見の検査技術の発展や先端的治療法の構築により克服できるようになってきた。高齢化に伴う各種疾患は問題となっている。高齢者の医療費の負担は生活に響いており、自らの手で「健康」を確保しなければならないことも現実である。日常生活における不規則習慣から「生活習慣病」の増大が社会問題となっている。生活習慣病の多くは自覚症状も無く、おかしいと思った時には重篤な状態となっていることが多い。本研究は、そのような背景をもとに、加齢に伴う疾患の予防と治療にきのこを摂食することの有効性を明確にすることを目的とした研究である。 特にきのこの栽培法や成長ステージによる機能性成分が生体にどのように影響を与えるかといった研究実施、培養基材や添加栄養剤の種類、菌糸体や子実体(可食部)の生育ステージに合わせた収穫時期および保存後の食効などを明確にした。加齢に伴う病理所見は炎症や免疫機能の低下などが初期に確認される。きのこの摂食による用量、加工法、摂食方法による血小板凝集抑制(血流)、ケモカイン遺伝子発現抑制(炎症)などのメカニズムを明確にした。また、きのこの多機能性の要因は、比較的低分子の糖鎖とアミノ酸が血液脳関門を通過し、脳内モノアミンの産生や脳幹に作用して酵素やホルモンの分泌を促進し、各受容体に作用の発現を促すメカニズムを有することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間2年目の本年度は、きのこの熱水抽出物、冷水抽出物、含水エタノールによる抽出物から特定の成分を精製したり、粗抽出物を用いた培養細胞レベルや動物試験、小規模なヒト試験から機能性について評価、解析を実施した。この研究の成果は計画に沿って推進されたものであり、学術論文としても報告し、公開などの成果もあげられているためおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画2年目までの成果を精査するとともに共同研究者および連携研究者などとの連携もさらに強化し、当初目標のための研究を推進する。 動物実験に関するライセンス(講習)や生命倫理に関する基準にも遵守した研究計画や試験規模の再検証も行い最善の研究が推進されるように3年目の実験の実施を準備し、すでに取り掛かっている。
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Causes of Carryover |
消耗品試薬の輸入レートによって安価に入手できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額と加算して適正に支出を計画する。
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