2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of termite control technology by using RNA interference
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26450236
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
板倉 修司 近畿大学, 農学部, 教授 (60257988)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RNA interference / E. coli / Feeding method / Differentiation control / Insect control / Industrial use of insect |
Outline of Annual Research Achievements |
標的配列であるヘキサメリン遺伝子の長鎖部分配列あるいは短鎖部分配列とライゲーションしたL4440プラスミドによる形質転換大腸菌HT115(DE3)株に,IPTG(イソプロピルチオガラクトピラノシド)を添加し,標的配列の上流と下流の両方向から同時にRNA産生を誘導した。大腸菌から抽出したRNAを電気泳動で解析し,長鎖部分配列あるいは短鎖部分配列に対応する二本鎖RNAが大腸菌内で産生されていることを確認した。 加熱処理,冷凍処理,エタノール処理による組換え大腸菌の滅菌を検討した。加熱処理あるいは冷凍処理では滅菌が不完全であった。遠心分離で集菌した大腸菌を70%エタノールで処理することで滅菌が可能であり,この方法で滅菌した大腸菌から抽出した二本鎖RNAは分解されずに保存されていることを確認した。 エタノールで滅菌した二本鎖RNA含有大腸菌を,再度遠心分離で集菌した後に,水(nuclease-free water)で懸濁した。この滅菌大腸菌懸濁液を添加した濾紙を餌としてシロアリに与え,飼育期間中に起こるシロアリの形態変化を観察した。また,シロアリからtotal RNAを抽出し,ヘキサメリンmRNA量をリアルタイムPCRで定量し,その経日変化を追跡した。 滅菌した二本鎖RNAを含有する大腸菌を添加した濾紙を餌として飼育した際に,ニンフの幼形成熟(ニンフォイド)への分化が促進された。幼若ホルモン結合タンパク質であるヘキサメリンタンパク質の発現量が低下したことで,幼若ホルモンが受容体へ到着しなくなったため,幼形成熟への分化が促進されたものと考えられる。 大腸菌内で産生させた二本鎖RNAを,大腸菌を滅菌した後に,摂食法でシロアリに投与することで,標的遺伝子の発現が抑制されることが示された。この手法は,ヘキサメリン以外の遺伝子に対しても有効であると考えられ,シロアリの分化制御へ応用することができる。
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Research Products
(4 results)