2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of enzymatic saccharification method for complete utilization of seaweed biomass
Project/Area Number |
26450284
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻 明彦 徳島大学, 大学院生物資源産業学研究部, 教授 (20155360)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオマス |
Outline of Annual Research Achievements |
アメフラシ消化液に存在する多糖類分解酵素の構造解析、および大量発現と応用をめざし、110kDa β-グルコシダーゼ (BGL),59kDa、80kDa α-アミラーゼ (Amy)、45 kDa, 21kDa セルラーゼ (EG)をコードする完全長cDNAをクローニングと大腸菌または酵母による発現を試みた。110kDaBGLcDNA, 45kDa EGcDNAは、完全長のcDNAが得られたので、それぞれLC189267, LC189346としてDDBJに登録した。 また、褐藻類の海藻でもアラメやカジメに多く含まれ、糖質分解酵素に阻害作用を示すフロロタンニンと結合し、その阻害作用を抑制することにより褐藻類の消化作用を促進するEHEP (Eisenia Hydrolysis Enhancing Protein)の大腸菌による発現も試みた。45kDa, 21kDa EGはともに大腸菌で発現すると不溶性画分に回収され、尿素による再生を試みたが可溶化できなかった。一方、EHEPは、大腸菌で可溶化すると不溶性画分に回収されたが、8M 尿素で可溶化後、徐々に尿素濃度を減少させることにより再生することができ、活性も有していた。EHEPについては北海道大学との共同研究を進め、消化液から精製した標品を用いて結晶構造解析を行い、立体構造を決定した立体構造解析の結果より、大腸菌による発現系を利用して部位特異的変異体を作成し、フロロタンニンとEHEPの結合様式を分子レベルで分析することが可能となった。さらに21kDaセルラーゼはセルロースと結合し、セルロース分解に重要な役割を持つことを見出した。 以上、アメフラシ消化液中に含まれる多糖類分解酵素を用いて、海藻の中でバイオマスとして有望なアオサと褐藻類であるアラメの効率的な酵素糖化システムについて明らかにした。
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