2015 Fiscal Year Research-status Report
ソバを核とした6次産業化による過疎化・高齢化地域の活性化に関する研究
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26450317
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
内藤 重之 琉球大学, 農学部, 教授 (30333397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 高志 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (40340583)
藤田 武弘 和歌山大学, 観光学部, 教授 (70244663)
坂井 教郎 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (80454958)
大西 敏夫 和歌山大学, 経済学部, 教授 (90233212)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソバ / 過疎化・高齢化地域 / 6次産業化 / 地域活性化 / 経済効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
先進事例の実態調査の結果、以下の点を明らかにした。1.ソバの生産振興や消費拡大に向けた施策を推進している都道府県は少ないが、その中で茨城県と福井県はこれらに積極的に取り組んできており、生産量を大幅に伸ばしている。2.先進事例調査を実施した北海道幌加内町、福島県喜多方市、長野県信濃町、福井県南越前町今庄地区、大分県豊後高田市はいずれも過疎化・高齢化が進む農山村地域であるが、水田転作を契機としてソバの生産を本格的に開始し、高付加価値化を図るために、6次産業化や農商工連携に取り組んでおり、交流人口が増えたり、雇用が創出されたりするなど、地域活性化が図られている。3.その一方で、これらに早くから取り組み始めた地域では取組主体の高齢化が進んでいること、そば処やそば道場の設置など類似の施設が増え、集客数が減少傾向にあるところがみられること、ソバは基準値以上の放射能が検出されたことがないにもかかわらず、喜多方市では原発事故による風評被害が未だに大きいことなどの問題点や課題がある。 国の産業連関表からノンサーベィ法による地域産業連関表の推計は、産業内交易に対する不適切な仮定により、失敗してきた。そこで、以下の適切な仮定を経験的に導出した。1.国際交易における輸出係数と輸入係数は、それぞれ国内の全ての地域において一定である。2.国際交易と地域間交易において交易量に対する産業内交易(cross-hauling)の割合は均衡する。また、地域産業連関表からその小地域産業連関表を推計する場合における以下の適切な仮定を導出した。1.国際交易+地域間交易における輸出係数と輸入係数は、それぞれ地域内の全ての小地域において一定である。2.小地域間交易において産業内交易は生じない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域内経済効果の計測についてはヒアリング調査が十分にできなかったところがあるが、先進事例の実態と解明については当初の計画以上に進展しており、当初計画していなかった福島県や茨城県の調査を実施できたことから、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は当初の実施計画どおり補足調査と分析・検討を行うこととし、研究成果を図書として刊行する予定であるが、地域内経済効果の計測については調査が十分にできていないところがあるため、とくに重点的に取り組む。また、先進事例の実態と解明についてはすでに調査を終え、補足調査の必要がない事例もあることから、先進事例地を増やして研究をさらに進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
地域経済効果の計測のためのヒアリング調査が十分にできず、研究分担者の旅費の執行額が当初計画よりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度までに実施予定であった地域活性化効果の計測のためのヒアリング調査およびデータ収集を平成28年度に実施するとともに、先進事例調査の対象地に北海道新得町を加え、これらの調査の旅費として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)