2014 Fiscal Year Research-status Report
超高解像度GCM出力の最適ダウンスケーリング開発と流域動態モデル統合化への応用
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26450342
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜口 俊雄 京都大学, 防災研究所, 助教 (90263128)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超高解像度 / GCM / 地球統計学 / ダウンスケーリング / 流域動態統合化 / 分布型流出モデル / 連成化 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究では最新の一般非公開超高解像度GCM出力や他の公開GCM出力を用いて任意地点の地球統計的ダウンスケーリングを高精度で行い,アンサンブルに流域内の様々な動態評価をすることで不確定性も考慮しながら検討することが目的である.初年度では,まず独自開発した流域の各動態モデル(河川水動態・水温動態・水質動態・栄養塩動態・土砂動態・地下水動態・洪水氾濫動態)との連成化を行うために,各動態に関して基礎的なモデリングを行ったのち,第一歩として,それらのモデルをHydro-BEAMという分布型流出モデルへ非連成のまま付加した.同時並行作業としてそれらを連成していくための資料を収集,あるいは様々な各動態研究者と議論して知識を収集した.さらに,地球統計的ダウンスケーリングには平成22-24年度基盤研究(C)で作成したシステムを利用し,その計算環境を現在のGCM出力に合うように再編成させた.上記の中で特筆すべきは,既往氾濫モデルではなく,家屋周囲の空間や道路を流れる水の挙動を,浸透流の 則導出時の土粒子間隙の水挙動と同様に見立ててナビア・ストークス式を基に代表者が一からアプローチして考案した全く新しい氾濫伝達モデルを用いる点にある.地球統計学的ダウンスケーリングした降雨情報を利用すれば,氾濫挙動解析がスケーラブルに対応できる上に,精度向上が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究の申請調書に記載の予定に従い,平成22-24年度基盤研究(C)で作成した地球統計的ダウンスケーリングシステムの内部を改造し,再構築することで,現在の最新GCM出力に対応できるようにした.流域動態を統合化するシステムを初年度設備備品上に構築するにあたり,各動態(水温動態・水質動態・栄養塩動態・土砂動態・地下水動態・洪水氾濫動態)モデルを,ベースであるHydro-BEAMという分布型流出モデル(河川水動態モデル)に対して付加し,徐々に連成化していくという作業を行っていて完成はしていないが得られた資料や知識を基に順調に進んでいる.ここでのプログラミングもFortranで構築していっており,現在のところ問題は生じずに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
流域の各動態モデルを連成化して統合化する作業を完成させ,稼働させた結果を可視化するようにする.その可視化した結果から問題点を洗い出し,モデリング修正または連成化修正を施すことで,その統合化モデリングを完成させていく.そのために可視化システムを構築する.その後,日本実流域から流域温暖化影響を統合的に評価することを開始する.
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Research Products
(17 results)