2016 Fiscal Year Annual Research Report
Enantioselective total syntheses of bioactive natural products via the enolate intermediate with dynamic chirality
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26460006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉村 智之 金沢大学, 薬学系, 准教授 (20432320)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不斉記憶 / 天然物全合成 / 不斉反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
Altemicidin 全合成の鍵反応となるアミノ酸由来エステルエノラートの不斉記憶型α-アリール化を検討した。当初、2-フルオロピリジンに対するエノラートの分子内付加環化を利用することを考え基質合成を遂行したが、その合成の困難さからアライン(ピリダイン)とエノラートの分子間反応によって目的を達成することとした。はじめに、反応条件の精査の為フェニルアラニンエチルエステル誘導体と系中で発生させたベンザインとの反応を行った。その結果、興味深いことに、ベンザインの付加と続く分子内環化でベンゾシクロブテノンが得られることが分かった。しかし、収率、光学純度ともに満足のいく結果は得られなかった。そこで、バリンエチルエステル誘導体を用いて反応を検討した。その結果、収率 53%、光学純度 95% ee で所望のαーアリール化体が得られた。また、アミノ酸誘導体をベンジルエステルにすれば光学純度が向上することも確認した。現在、ピリダインとの反応に向けて条件検討中である。 Epiliolide 全合成では不斉記憶型分子内アルキル化による不斉誘導が困難だったため、有機触媒を用いる不斉アルドール反応を鍵とした全合成にシフトした。プロパンジオールよりモノベンジル化、酸化でアルデヒドを得た。これに対し、イソブチロニトリルの付加、二級水酸基の保護、ニトリルの還元で不斉アルドール反応の基質合成を達成した。この基質を用いてプロリン触媒下アセトンとの不斉アルドール反応を行った。所望のアルドール体は得られるものの、βー脱離に由来する副生成物が多量に得られることが明らかとなった。現在、添加剤や触媒、溶媒の検討を行っており副反応の抑制とアルドール体の収率及び光学純度の向上を目指し研究を遂行中である。
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