2015 Fiscal Year Research-status Report
セラミドキナーゼ結合蛋白質の網羅的探索を基盤とした中枢神経系機能調節機構の解明
Project/Area Number |
26460060
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 浩之 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20447311)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | セラミドキナーゼ / セラミド-1-リン酸 / 神経突起 |
Outline of Annual Research Achievements |
PC12細胞 (ラット副腎髄質由来褐色細胞腫) は神経成長因子NGFで処理すると突起を形成することから、神経細胞のモデルとして幅広く用いられている。本年度はPC12細胞を用いて、神経突起形成におけるセラミドキナーゼの役割を解析した。まず、レトロウイルスによる遺伝子導入システムを用いて、セラミドキナーゼ安定発現株を作製した。この細胞にNGFを処理したところ、コントロール細胞に比べて突起伸長が促進し、この促進作用はセラミドキナーゼ阻害剤の処理により抑制された。従って、セラミドキナーゼにより産生されたセラミド-1-リン酸がNGF刺激による突起伸長を正に制御する可能性が示唆された。続いて、NGF刺激がセラミド-1-リン酸の産生に与える影響を解析した。その結果、NGF刺激はセラミドキナーゼを活性化し、セラミド-1-リン酸の産生を促進することが明らかとなった。NGF刺激はセラミドキナーゼの発現量には影響しなかった。また、セラミドキナーゼの細胞内局在を観察するため、緑色蛍光蛋白質GFPを融合したセラミドキナーゼを一過性発現させた。その結果、無刺激時にはエンドソームに局在しているセラミドキナーゼが、NGF刺激により突起先端部へと移行する様子が観察された。これらの結果から、PC12細胞においてNGFはセラミドキナーゼの活性化および突起先端部への局在変化を誘導し、産生されたセラミド-1-リン酸が突起伸長を正に制御することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セラミドキナーゼが神経突起の伸長を正に制御することを明らかにすることができた
|
Strategy for Future Research Activity |
1) セラミドキナーゼをノックダウンした細胞株を作製し、NGF刺激による突起伸長作用を観察する 2) セラミド-1-リン酸が突起伸長を制御するメカニズムを解明する 3) 神経突起伸長におけるセラミドキナーゼの役割をPC12細胞以外の細胞や個体を用いて解析する
|
Research Products
(17 results)