2016 Fiscal Year Annual Research Report
Phytochemical research on Malagasy medicinal plants
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26460122
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浪 勝義 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 教授 (70379890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 英昭 安田女子大学, 薬学部, 教授 (00107385)
杉本 幸子 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 准教授 (60549012)
山野 喜 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 助教 (70650597)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マダガスカル / セスキテルペン / リーシュマニア / ベクター昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに入手したマダガスカル産植物抽出物について種々の活性評価を行い、有用植物資源のリストアップを行った。活性試験としては、がんによる死因の一位である肺癌細胞を用いたがん細胞増殖抑制試験、熱帯域で「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)」としてWHOにも問題提起されているリーシュマニア原虫に対する抗リーシュマニア活性、また、地球温暖化に伴う生息北限の上昇によって近年問題となったデング熱、ジカ熱の媒介(ベクター)昆虫であるヒトスジシマカ幼虫に対する活性を評価した(マラリアやリーシュマニアもベクター媒介性の感染症であることからベクター昆虫の制御は重要である)。これらの活性試験で比較的強い活性を示したニシキギ科植物(MA-L)について活性を指標に分離・精製を行い、活性本体を単離することに成功している。そのうちの一つは高分解能質量分析スペクトルから炭素33個および窒素を1個含有する化合物であり、1次元および2次元NMRの結果からアガロフラン型セスキテルペンにベンゾイル基が1個、アセチル基が2個、さらに含窒素官能基がエステル結合した新規化合物であることが明らかになった。また、立体化学についてもカップリング定数、NOESYおよびROESYスペクトルの解析により相対立体配置を明らかにすることに成功した。また、もう一つの化合物についても同様の解析を行ったところ、さらにアセチル基を一つ多く持ち、加えて置換位置の異なる新規化合物であることが判明した。これらは、非常にユニークな化学構造を有していたことから、マダガスカル産植物は有用天然化合物の探索源として重要であることをあらためて示す結果であった。
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