2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of cationic drug efflux across the blood-retinal barrier
Project/Area Number |
26460193
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
久保 義行 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 准教授 (20377427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤沼 伸乙 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 助教 (30467089)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血液組織関門 / 血液網膜関門 / 血液脳関門 / トランスポーター / カチオン性薬物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、神経疾患治療薬の新規開発に向けて、血液組織関門に存在する新規輸送機構探索と分子実体同定を行い、その役割や創薬応用性の検証を目的とした。 カチオン性薬物であるclonidineやカチオン性化合物であるnicotine、riboflavin、L-ornithine、histamineなどに関するin vivo解析をラットで実施し、これらを輸送基質とする輸送機構が血液脳関門や血液網膜関門に存在することを示唆した。また、機能アノテーションでは、これらを基質とするトランスポーター分子群の探索を行った。 モデル細胞を用いたin vitro輸送解析の結果、これらカチオン性化合物の輸送が担体介在輸送であることが示唆された。特に、clonidineには神経保護作用が報告されており、内側血液網膜関門のclonidine輸送機構が神経保護作用薬の網膜への送達に有用であることが示された。L-Ornithineに関しては、機能アノテーションの結果、その血液網膜関門を介した輸送の分子実体としてcationic amino acid transporter 1 (CAT1/SLC7A1)の寄与が示唆された。外側血液網膜関門モデル細胞を用いた方向性輸送解析の結果、外側血液網膜関門におけるL-ornithine輸送は血液→網膜方向が優勢であると示唆され、このことは、特異的抗体を用いた免疫組織化学的解析の結果からも支持された。Riboflavinに関しては、その内側血液網膜関門を介した輸送の分子実体としてriboflavin transporters (RFVTs/SLC52A)の寄与が示唆された。発現解析の結果から、内側血液網膜関門におけるRFVT2およびRFVT3の発現が示唆され、riboflavin輸送におけるこれら分子の寄与はin vitro遺伝子ノックダウン解析の結果からも支持された。
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