2015 Fiscal Year Research-status Report
整形外科領域で使用される抗凝固薬の治療効果と副作用の個体差発現要因の解明
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26460237
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
花田 和彦 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (10281445)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フォンダパリヌクス / エノキサパリン / エドキサバン / 体内動態 / 人工膝関節置換術 / 静脈血栓塞栓症 / 出血 / 個体差発現要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】整形外科手術後の静脈血栓塞栓症の予防のために使用される抗凝固薬(エドキサバン、フォンダパリヌクス、エノキサパリン)の適切な投与方法を確立することを目的とし、治療効果・副作用の個人差を説明しうる要因を解明することを試みた。 【今年度行ったこと】臨床研究を継続して行った。人工膝関節置換術施行予定患者のうち、文書による同意が得られた患者を対象とした。術後24時間に薬剤を投与し、経時的に採血した。血漿中薬物濃度およびアンチトロンビンIII濃度を測定した。なお、血漿中エドキサバン濃度の測定には昨年確立した定量方法を用いた。静脈血栓塞栓症、出血の有無、投与継続の有無および薬物体内動態の評価を行った。抗凝固薬の投与を中止する要因ならびに体内動態の個体差発現要因を検出するため、多変量解析と母集団薬物動態解析を行った。薬物動態の解析には、プログラムNONMEM(ver.7.3)を用いた。副作用や体内動態の個体差を生じる変動要因として、年齢、性別、体重、肝・腎機能検査値、プロトロンビン時間、手術時間などを調査して用いた。 【結果】フォンダパリヌクス群は30名、エノキサパリン群は25名が解析対象となった。静脈血栓塞栓症の発現率は、抗凝固薬の投与が継続できた群で低い傾向が認められた。さらに抗凝固薬の投与が中止された要因を解析したところ、フォンダパリヌクスの最高血中濃度が高い人ほど皮下出血しやすく、投与の継続が困難であることが示唆された。また、体内動態には、患者の腎機能と体重が個体差発現要因となることが明らかとなった。これらの結果から、フォンダパリヌクスを個別投与するためには、患者の体重と腎機能を評価する必要があることを示すことができた。さらに臨床研究を継続し、臨床効果と副作用に影響する要因を明らかにするための検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フォンダパリヌクスとエノキサパリンの臨床研究を継続し、静脈血栓塞栓症、出血の有無、投与継続の有無および薬物体内動態の個体差発現要因を解析することができた。新たな臨床研究も承認されたことからも、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究を継続させ、静脈血栓塞栓症、出血の有無、投与継続の有無および薬物体内動態の個体差発現要因を解析し、要因を明らかにしていく。 また、新たなバイオマーカとして、Prothrombinase-induced Clotting Time testを検討中であり、薬理作用の異なる抗凝固剤の効果の指標の評価も加えていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度より、研究の進展が予想されたため、実験補助員が必要とされると考え、申請した。しかし、実験補助員を雇用しなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度となるが、臨床研究はまだ継続中であり、必要経費は平成27年度と同様となることが予想される。
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Research Products
(3 results)