2015 Fiscal Year Research-status Report
キスペプチンによる甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンを介した生殖生理調節を検証する
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26460316
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
澤井 信彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (70307916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 利行 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30334113)
飯島 典生 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00285248)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン / キスペプチン / 室傍核 / kisspeptin receptor / NPFF receptor |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は所属機関が変わったため、新たな環境で実験系をセットアップした。昨年度より開始していた蛍光標識キスペプチンペプチドの脳室内投与実験は、安定した注入量と細胞への取込みを前提に定量性をもたせることが目標であったが、例えばスカイブルーのような色素を試薬に混入して脳室内での拡散が確認できた場合でも、室傍核の細胞への蛍光標識キスペプチンペプチド取込みが見られないケースも生じた。原因として所属機関の変更に伴って麻酔薬を変えたこと等が考えられるので、いつかの種類の麻酔薬で検討してみる必要がある。このように現在、定量性を得るための安定条件を検討中であるが、取込みが確認された例では抗thyrotropin-releasing hormone(TRH)抗体や抗tyrosine hydroxylase抗体との二重標識が確認でき、TRHやdopamine発現ニューロンへの結合が示唆されたことを、in vivo binding assay法として学会で報告した(第121回解剖学会)。標識蛍光物質であるローダミン単体を同様に脳室内投与しても、このような細胞への標識は見られない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光標識キスペプチンによる in vivo binding assay 以外にも、キスペプチンニューロンの投射を受けるTRHニューロンにおける受容体発現解析を進めた。キスペプチンが生理的活性を示す受容体としてキスペプチン1受容体(GPR54)の他にもNPFF1,2受容体が報告されているため、これらのmRNAに対するプライマーセットを作成し、レーザーマイクロダイセクションによる特定ニューロンのサンプリングからPCRによるmRNA発現解析を行っている。現在のところ脳切片から室傍核のみをサンプリングし、TRH mRNAとともに、GPR54 mRNA, NPFF1r mRNAを定量的PCRで確認できており、今後はシングルニューロンの回収が課題である。TRHニューロンの同定方法として昨年度に新たに受託作成した抗TRH抗体を用いて免疫標識を行っている。また甲状腺ホルモンのキスペプチンニューロンへのフィードバック系を検討するため、抗thyroid hormone receptor抗体の免疫組織化学の条件検討を進めている。 所属研究機関の変更もあって予定通りに進まない事項もあったが、レーザーマイクロダイセクション機を用いた実験系を新たにセットアップするなど、予定した方向性で進めることがはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫標識によるTRHニューロン集団のシングルセル・ダイセクションから発現する受容体mRNAの解析を最優先に進める予定である。TRHニューロンのみならず、他の室傍核のオキシトシンニューロンやCRHニューロンの解析も行い、これらのニューロンへのキスペプチンの関与を網羅的に解析したい。発現ペプチドや受容体のmRNAレベルを定量的PCRで比較できる実験系を確立し、性ステロイドや体温などの生理条件や、キスペプチンペプチドもしくはその阻害剤の脳室内投与による影響について、関連mRNA発現変化を相対的に比較解析する。
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Causes of Carryover |
所属機関の変更に伴う実験環境の収束と立ち上げで、進行が遅れた。一方で、レーザーマイクロダイセクションおよび定量的PCRで用いる消耗品が比較的廉価で済んだこともある。やはり最大の理由は、代表者の研究機関の移動が決まっている中で、設備品や開発製品・動物の受託のタイミングを熟慮する必要があったことである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度は、これまでに確立しつある実験系で用いる試薬や実験動物がひきつづき必要である。その他には、進捗状況によって、in vivo binding assay法に用いるキスペプチンペプチドをローダミン以外で標識した合成ペプチドの開発、当初計画書に記した毒素を結合したキスペプチン合成ペプチドの開発、あるいはTRHニューロンに発現する各種受容体のコンディショナルKO-Tg動物の作製などを検討し、使用する予定である。
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Research Products
(1 results)