2016 Fiscal Year Research-status Report
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26460377
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
谷口 善仁 杏林大学, 医学部, 教授 (00324616)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CYP1A1 / P450 / AhR / メタボローム / メダカ |
Outline of Annual Research Achievements |
AhRが結合するxenobiotic response element (XRE)の下流に蛍光タンパクを接続したトランスジェニックメダカをcyp1a欠損メダカと交配し、その仔(ヘテロ変異体)同士を交配することにより、cyp1a(+/+)とcyp1a(-/-)にレポーター遺伝子を持つ系統をそれぞれ作製した。母親由来と思われる物質により胞胚期においても弱いシグナルがすべての細胞に観察されたが、受精24時間から48時間後にかけて蛍光強度が増強し、前後に伸びる一対の左右対称な蛍光が中脳の特定の領域に観察された。外来性リガンド未刺激の状態でのcyp1a(+/+)とcyp1a(-/-)の中脳を比較したところ、蛍光強度に有意な差は認めなかった。中脳で見られる蛍光がAhR-cyp1a axisの活性化によるものであることを調べるために、AhRの阻害剤であるCH-223191存在下でdechorinateした胚の培養をおこなったところ、0.5μMから飽和濃度までの曝露で蛍光強度に変化は認められなかった。CH-223191はゼブラフィッシュ仔魚に有効であるものの、メダカ胚組織への浸透性や、メダカAhR分子への結合の問題が考えられた。脳内の蛍光がAhR依存性であることを示すために、CRISPR/cas9ゲノム編集技術によりメダカAhR遺伝子の破壊を試みた。この目的を達するため、メダカゲノム上に存在する4つのAhR遺伝子(ahr1a, ahr1b, ahr2, ahrrb)に対してそれぞれsgRNAを合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想に反して、遺伝子型によりレポーター遺伝子の蛍光強度に差がないこと、また、AhR阻害剤により蛍光強度が変化しなかったことより、ゲノム編集技術を新たに導入することとなった。また、魚類特有のゲノム重複により、AhR遺伝子が4つ(8コピー)あることがわかり、遺伝子破壊に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPR/cas9ゲノム編集技術により4種類あるAhR遺伝子をすべて破壊し、中脳のシグナルがAhR依存性であるかを解析する。他の研究室との共同により蛍光シグナル陽性の解剖学的構造を特定する。
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Causes of Carryover |
教室人事による人員の変更や、平成29年度開始の専門医制度への対応などによって、実験計画が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
両者の事情はすでに取り除かれたので、速やかに実験計画を再開する。
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