2017 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチンリガーゼSCRAPPERが調節するシナプス蛋白質の超解像イメージング
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26460388
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
矢尾 育子 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (60399681)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | SCRAPPER / シナプス / 超解像 / 蛋白質 / イメージング / 神経可塑性 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチンプロテアソーム系による選択的蛋白質分解は神経細胞を含む様々な細胞機能の制御に重要である。ユビキチン化の異常は多くの神経変性疾患で見られ、神経伝達物質放出異常もまた多くの神経疾患に関与する。シナプスにおけるユビキチン化の時空間的な詳細を明らかにすることは神経難病の医化学的病態理解に役立つと期待される。 以前に申請者らが同定したユビキチンリガーゼSCRAPPERに着目し、ユビキチンプロテアソーム系による神経シナプス脱構築および神経伝達制御の分子機構解明を目的として超解像顕微鏡および質量顕微鏡を用いた解析を行った。シナプス蛋白質のイメージングでは、共焦点顕微鏡、全反射顕微鏡とともに、ローカライゼーション法を採用したSTORM超解像顕微鏡を用い、脳組織切片で3D観察イメージングを試みた。また、質量顕微鏡で脂質および低分子代謝物の局在変化を観察し、ノックアウトマウス脳で変化している分子を同定した。 本研究に関連し、第40回日本神経科学大会で「光開裂分子を用いたアミノ酸神経伝達物質の質量分析イメージング」、第42回日本医用マススペクトル学会年会で「MALDI-IMSを用いたScrapperノックアウトマウス脳組織における神経伝達物質局在分布の可視化」、the 47th annual meeting of the Society for Neuroscienceにおいて"Alteration of amine neurotransmitters in Scrapper-knockout mice brain visualized by imaging mass spectrometry"のポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の観察手法によりSCRAPPERノックアウトマウス脳のイメージングを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた研究結果から、ユビキチンリガーゼSCRAPPERを介したユビキチン化およびユビキチンプロテアソーム系分解により制御されるシナプス関連分子の動態について考察し、分解による細胞・個体機能制御を統合的に理解することを試みる。
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Causes of Carryover |
適正に使用した結果、端数の残額が出た。次年度の試薬購入に充てる予定である。
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