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2014 Fiscal Year Research-status Report

自閉症高感受性遺伝子ニューロリギン4Xのエピジェネティックな発現制御機構の解析

Research Project

Project/Area Number 26460483
Research InstitutionInstitute for Developmental Research, Aichi Human Service Center

Principal Investigator

飯尾 明生  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生障害学部, リサーチレジデント (80344349)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
KeywordsNLGN4X / 自閉症 / エピジェネティックス / MeCP2 / miR-23a / Topoisomerase I / lncRNA / exosome
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、ヒト自閉症高感受性遺伝子ニューロリギン4X(NLGN4X)について、自閉症での遺伝子発現の変化の有無、その発現の増減が自閉症発症の原因なのか結果なのか、その発現の増減を引き起こす非遺伝的背景は何なのか明らかにすることを目的としている。本年度は、ストレスを介したMeCP2のリン酸化、miR-23a、逆鎖long-noncoding RNA(lncRNA) による発現制御機構について解析を行った。
NLGN4X遺伝子のエキソン1A及びCpGプロモーターにはMeCP2が結合し、発現抑制に関与していることがわかっている。TGW細胞株をカイニン酸を用いててんかん様刺激すると、MeCP2のリン酸化が亢進し、ヒストンH4のアセチル化に伴ってNLGN4Xの転写、翻訳が促進されることがわかった。
NLGN4Xを翻訳抑制するmiR-23aは、熱ストレス刺激したミクログリアが分泌するexosome中に増加し、TGW細胞株に作用させることでNLGN4Xの発現を抑制することがわかった。また、miR-23aの新規標的因子Topoisomerase 1(TOP1)が転写レベルでNLGN4Xの発現を調節していることがわかり、miR-23aが直接的、間接的にNLGN4Xの発現を制御していることが明らかとなった。
NLGN4Xの逆鎖に存在する約4kb のlncRNAを同定した。このlncRNAの発現は、TOP1阻害薬によりAngelman syndrome原因遺伝子UBE3Aと同様に増加した。UBE3Aの逆鎖lncRNAであるUBE3A-ATSはUBE3Aの転写を抑制することが知られている。そこでNLGN4XのlncRNAをノックダウンしたところ、NLGN4Xの発現が増加し、逆に強制発現すると発現が抑制された。現在、このlncRNAを介したNLGN4Xの発現制御メカニズムについて解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ヒト検体(脳など)のゲノムメチル化の解析に労力を要したため、論文作成が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

27年度はNLGN4Xの転写後発現制御に関わる分子の解析とlncRNAによる発現制御メカニズムの解析を中心に行う。具体的には、スプライシングバリアント選択的なRNAの分解や保護に関わるRNA結合タンパク質、IRESに依存した翻訳制御に関わる因子、lncRNAに結合して発現制御に関わる因子について、PAR-CLIP法などを用いて同定し、siRNAによるノックダウンや変異体などの強制発現による機能解析を行う。また、これらの因子が病態に関連する外的要因(ストレスなど)によってどのような挙動を示すのか、発現や修飾(リン酸化、アセチル化など)の変化について解析し、病態との相関について検討する。また、自閉症患者由来iPS細胞を用いて、NLGN4Xの発現や機能の変化と表現型(神経突起の伸長、成熟、シナプス形成、神経伝達物質の分泌など)との相関について調べる。

Causes of Carryover

4月以降に物品の値上げが予定されているため、その補填として繰り越した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度は、細胞培養、Westernblot、Real-time PCR、ルシフェラーゼアッセイなどに用いるプラスチック器具、細胞生物学用試薬、生化学用試薬、分子生物学用試薬など消耗品費として95.5万円、成果発表用の学会旅費に10万円、論文校正、投稿料などのその他に10万円の計115.5万円を予定している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] The expression of autism-susceptibility gene NLGN4X is regulated by miR-23a.2014

    • Author(s)
      A. Iio, T. Matsuki, E. Aoki, A. Nakayama.
    • Organizer
      第37回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      神奈川県横浜市
    • Year and Date
      2014-11-27
  • [Remarks] 発達障害研究所発生障害学部

    • URL

      http://www.inst-hsc.jp/d-embryology/index.html

URL: 

Published: 2016-05-27  

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