2016 Fiscal Year Annual Research Report
Estimates of elapsed time and personal identification from human blood sucked by mosquitoes
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26460885
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
原 正昭 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (50129160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 淳 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00207961)
田村 明敬 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50207239) [Withdrawn]
山本 敏充 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50260592)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蚊 / STR / Y-STR / 個人識別 / 吸血経過時間推定 / DNA定量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、吸血後、一定時間経過した蚊からDNAを抽出する実験系を新たに考案し、6月に開催された第100次日本法医学会学術全国集会において、アカイエカ及びヒトスジシマカにより吸血された7名の被験者から得られた結果を発表した。その内容は、以下の通りである。両種ともに定量値、平均相対ピーク高、型検出数は吸血直後からおおむね2日かけて次第に減少し、吸血後3日経過するといずれの値も検出されなくなったが、ヒトスジシマカの方が若干早くDNAが分解されるようでった。また、それらの結果から、両種とも半日単位程度の間隔で吸血後の経過時間推定が可能であると考えられた。しかしながら、吸血後半日程度までの間で、特に、アカイエカで放血によるDNA抽出量の大きなばらつきが見られたので、今後自然界における蚊の吸血後行動のより詳細な知見を得ると共に、例数を増やしたり、定量方法を改良するなどして、吸血後の経過時間の精度を上げることが可能になると考えられた。 次に、12月に開催された第25回日本DNA多型学会において、同様に吸血した蚊からY-STR型分析の可能性について新たに検討した結果を発表した。その内容は、以下の通りである。吸血した蚊からのY-STR型分析は、STR型分析結果と同様に、吸血後ある程度の経過時間推定を可能にするとともに,特に同一の蚊が男性と女性から吸血したと考えられる事例において、男性を特定するために非常に有用であることと考えられた。 これらの結果から、本研究で実施した手法を用いることで、犯罪現場における犯人や犯罪に関係した人を特定すること、また、犯行時間の推定に寄与することで、アリバイの科学的証明に非常に貢献できることが示された。今後、更に精度を向上させることで、法医・鑑識科学におけるDNA分析を用いた科学的鑑定の向上に非常に貢献できる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 吸血した蚊からのY-STR型分析による個人識別2016
Author(s)
永井 淳,原 正昭,廣重優二,小川久恵,引土知幸,梅田光夫,川尻由美,中山幸治,武内康雄,鈴木廣一,髙田 綾,石井 晃,山本敏充
Organizer
日本DNA多型学会第25回学術集会
Place of Presentation
千葉 柏市 東京大学大気海洋研究所
Year and Date
2016-11-30 – 2016-12-01
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