2014 Fiscal Year Research-status Report
麻黄湯によるオートファジー機能強化を介したウイルス感染防御
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26460929
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
鍋島 茂樹 福岡大学, 医学部, 教授 (50304796)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 麻黄湯 / 漢方薬 / オートファジー / インフラマゾーム |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、インフルエンザウイルス感染時に、麻黄湯が宿主細胞のオートファジーを強化するかどうかをin vitroにて確かめた。A549細胞にインフルエンザウイルス(PR8株)を感染させ、麻黄湯を同時に添加する。経時的にオートファゴゾーム・マーカのLC3を蛍光顕微鏡とウエスタン・ブロットにて測定すると、明らかに対象に比し明らかなLC3の増強があり、オートファゴゾームの増加が確かめられた。オートファゴゾームとライソゾームの融合に関しては、インフルエンザ感染で阻害されることが分かっているが、麻黄湯を添加すると、オートファゴゾームとライソゾームの融合阻害は解除されて、オートファゴゾームの成熟が促進されていることがわかった。次に、麻黄湯により炎症性サイトカインの産生が変化するかについて検討した。マウスの骨髄由来マクロファージをLPS+ATPで刺激すると、インフラマゾームが活性化され、炎症の起点となるインターロイキン1(IL-1)が産生される事がわかっている。この実験系に麻黄湯を添加すると、IL-1の産生が著明に抑制されることがわかった。この際、オートファジーをiRNAで抑制すると、再びIL-1の産生が増加することより、麻黄湯はオートファジーを介して炎症性サイトカインIL-1を抑制していることが示唆された。オートファジーの促進がどのような分子を介しているのか、また、インフラマゾームの抑制の機序に関して、現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大枠の現象はつかめているが、麻黄湯がどのようにオートファジーを促進しているか、インフラマゾームの抑制機序に関して、分子レベルの検討が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
オートファジーの促進がどのような分子を介しているのか、また、インフラマゾームの抑制の機序に関して、現在検討中である。この際、ミトコンドリアの障害(ミトファジー)、Toll-like receptorの影響に関して特に注目して実験をすすめる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、実験に使用する試薬等の消耗品と、セミドライブロッティングシステムの購入が遅れていることがあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、実験の遂行を加速して、かつ必要な機材を購入して、予算を消化していきたい。
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