2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the role of mast cell chymase in salt-dependent hypertension
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26461118
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
浦田 秀則 福岡大学, 医学部, 教授 (30289524)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心臓病態学 / 高血圧 / 食塩過剰摂取 / マウス / キマーゼ / アンジオテンシンⅡ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、目的Ⅰは8%高食塩食では高血圧を発症しない野生型マウス(C57BL/6J)で、飲水中食塩濃度を0.25%から2%まで変化させ、3ヶ月間、血圧・心拍の変動を観察し、血圧上昇を惹起する適切な飲水中食塩濃度を設定することであった。目的Ⅱは目的Ⅰで設定したモデルと組織キマーゼ活性欠損マウス(WBB6F1-W/Wv)に同濃度の飲水食塩負荷を3ヶ月間施行し、1週間毎の体重・血圧・心拍測定と飲水量・尿量をメタボリックケージで測定する。さらに、血中・尿中・組織中各RAASコンポーネントを1ヶ月毎に測定して、血圧変化に伴う各RAASコンポーネントおよび炎症・酸化ストレスマーカー変化を明らかにする。病理学的にも組織肥満細胞数測定や臓器障害の程度を判定する。両群の差異から、食塩依存性血圧上昇と肥満細胞の関連を明らかにする。目的Ⅱの研究期間は平成26年度から平成27年度であった。 目的Ⅰに関しては、0.5%~2.0%までの食塩濃度で高血圧を生じることが明らかになった、その中で2%食塩水飲水による高血圧が146±10/100±10程度のマウスとしては中等度高血圧が投与後12週で生じたので、この濃度をその後の実験に用いることとした。 現在までに目的にⅡに上げた項目について終了した。目的Ⅲは確立した食塩依存性高血圧モデルマウスに特異的キマーゼ阻害薬を含む各種降圧薬の効能を比較することであったが、特異的キマーゼ阻害薬は用量依存性に降圧及び心拍数減少効果を示した。一方、既存の降圧薬投与では、アンジオテンシン受容体拮抗薬とアルドステロン受容体拮抗薬がわずかに、しかし、有意に降圧及び心拍数減少効果を示した。すなわち、高食塩負荷に伴なう組織キマーゼ活性化が昇圧と交感神経活性化を促す事を証明した。これらの結果は既に報告した。(Devarajan S, AJP 2015)
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