2014 Fiscal Year Research-status Report
ケモカイン受容体阻害活性を有する漢方薬のアレルギー治療への応用と有効成分の同定
Project/Area Number |
26461495
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中山 隆志 近畿大学, 薬学部, 教授 (60319663)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 一彦 近畿大学, 薬学部, 助教 (70615921)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ケモカイン / 漢方薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、麻黄に含まれるケモカイン受容体アンタゴニスト活性の解析およびアレルギー疾患モデル動物を用いた治療効果の解析を通じて、麻黄含有漢方方剤の免疫修飾作用および抗アレルギー作用を科学的に検証することにある。 研究代表者はこれまでに、富山大学和漢医薬学研究所が所有する和漢薬ライブラリーを用い、細胞遊走阻害を指標としたケモカインアンタゴニストの探索を行ってきた。そして19種のケモカイン受容体の安定発現細胞株を用いた細胞遊走阻害を指標とした網羅的探索により、種々のケモカイン受容体に対するアンタゴニスト活性を見出すことに成功している。本研究では、その中のひとつCCR3、CCR4およびCCR8に対して特異的なアンタゴニスト活性を示す麻黄エキスに注目した。麻黄エキスは、用量依存的にこれらの受容体を介した細胞遊走を阻害した。その細胞遊走阻害活性は、方向性を持った遊走反応であるケモタキシス反応に特異的であった。また、次にケモカイン受容体の安定発現細胞株を用い、ケモカイン刺激によるこれらの受容体を介した細胞内カルシウム濃度上昇反応への影響を調べた結果、麻黄エキスはこれらの反応も特異的に阻害することが明らかとなった。 ケモカイン受容体CCR3、CCR4およびCCR8は、いずれもTh2細胞あるいは好酸球や好塩基球に選択に発現することから、アレルギー性疾患において重要な役割を果たすと考えられている。麻黄はこれらの受容体のみを選択的に阻害するため、これらを標的とした抗アレルギー効果を持つ可能性が示唆される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の根幹の項目については順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究の根幹の項目については順調に進行しているために、今後も当初の計画通りに進行する。
|
Research Products
(1 results)