2016 Fiscal Year Annual Research Report
Gene-modified T cell therapy for refractory acute myeloid leukemia harboring a FLT3/ITD mutation
Project/Area Number |
26461574
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中沢 洋三 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60397312)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | キメラ抗原受容体 / CAR-T療法 / 急性骨髄性白血病 / Flt3/ITD |
Outline of Annual Research Achievements |
FLT3/ITD遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病(AML)の予後は不良である。現在、FLT3チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の開発が進められているが、TKI治療中にFLT3/ITD変異AML細胞が様々なTKI耐性遺伝子変異を獲得するため、単剤での治療効果は限定的と考えられる。難治性急性リンパ性白血病(ALL)に対しては、人工T細胞受容体であるキメラ抗原受容体(CAR)を用いた遺伝子改変T細胞療法(CAR-T療法)が極めて有効である。CAR-T細胞は、TKI耐性遺伝子変異を獲得したALL細胞に対しても強力な抗白血病効果を発揮する(Saito S, Nakazawa Y, et al. Cytotherapy, 2014)。 本研究では、薬剤耐性機序に屈しないFLT3/ITD遺伝子変異を含む難治性AMLに対する新規治療法の開発を目的に、AML抗原を標的とする新規CAR-T細胞を開発した。 FLT3/ITD遺伝子変異を有するAML細胞株MV4-11は、その細胞表面上にGM-CSF受容体(GMR)を99.8%の頻度で発現する。そこで、GM-CSF受容体(GMR)と特異的且つ高親和性に結合する遺伝子配列をモチーフに、GMRを標的とする世界初のCARを構築し、独自に開発した非ウイルス遺伝子改変法およびT細胞培養法を用いてGMR CAR発現T細胞を樹立した(Nakazawa Y, et l. J Hematol Oncol 2016)。 FLT3/ITD遺伝子変異AMLに対するGMR CAR-T細胞の抗白血病効果を評価するために、GMR CAR-T細胞とMV4-11細胞を1:5、1:50および1:100の比でサイトカイン無添加の条件で5日間共培養した。その結果、GMR CAR-T細胞はMV4-11細胞を各々約98%、70%、60%ときわめて高率に殺傷させることが明らかとなった。GMR CARを用いたCAR-T療法はFLT3/ITD遺伝子変異を有する難治性AMLの治療に有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)