2015 Fiscal Year Research-status Report
マトリックス会合におけるfibulin-4の機能解明
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26461661
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
佐々木 隆子 大分大学, 医学部, 助教 (30133193)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | fibulin-4 / 細胞外マトリックス / 弾性線維 |
Outline of Annual Research Achievements |
常染色体劣性皮膚弛緩症1B型は細胞外マトリックスタンパク質であるfibulin-4の変異に起因し、動脈瘤・肺気腫等、弾性線維に富む組織での異常も認められる。これまでに動脈瘤・皮膚弛緩症を主訴とする患者においてfibulin-4の変異が数例報告されている。本研究はこれらの変異を導入したfibulin-4をリコンビナントタンパク質として発現・精製し、それらの生化学的性状ならびに機能への影響を解析し、病態の発現機序の解明を目的とする。 平成27年度は、精製した正常と変異fibulin-4の比較解析を計画していた。平成26年度にfibulin-4の発現系を確立し、精製したタンパク質を用いて、他のタンパク質との結合性の変化ならびにタンパク質分解酵素に対する抵抗性の変化を解析した。fibulin-4は、エラスチン、fibrillin-1,lysyl oxidases等に結合することが知られているが、これらタンパク質に対する結合性は変異に伴い低下が認められた。どのタンパク質に対する結合性が低下するかは、それぞれの変異に特異的に観察されたものと変異タンパク質のほとんどに認められる場合があった。また、プロテアーゼに対する感受性では、それぞれの変異特異的に感受性の亢進が認められた。また、変異の分泌へ及ぼす影響を、2種のfibulin-4欠損細胞を用いて解析した結果、変異に依存して差が認められた。この結果は変異がタンパク質構造にどの程度影響しているかの違いによると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主研究は計画通りに進行しているが、fibulin-4欠損マウスならびに皮膚弛緩症患者皮膚の組織化学的解析はまだ進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
変異タンパク質を用いての解析は順調に進行しており、論文投稿準備を行う。皮膚の組織化学的解析については、皮膚弛緩症患者はこれまで日本ではほぼ報告がないので、fibulin-4欠損マウスを用いて解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
高額な充填済みクロマトグラフィー用カラムは科研以外の研究費で購入したことならびに旅費は国内の学会のみに使用したため、次年度に繰り越し額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会への参加ならびに組織化学的解析のための抗体の購入を計画している。
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[Journal Article] Fibulin-4 E57K Knock-in Mice Recapitulate Cutaneous, Vascular and Skeletal Defects of Recessive Cutis Laxa 1B with both Elastic Fiber and Collagen Fibril Abnormalities.2015
Author(s)
Igoucheva O, Alexeev V, Halabi CM, Adams SM, Stoilov I, Sasaki T, Arita M, Donahue A, Mecham RP, Birk DE, Chu ML
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 290
Pages: 21443-21459
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research