2014 Fiscal Year Research-status Report
ARMSと発達障害特性を中間表現型とした統合失調症大家系の遺伝子解析
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26461721
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今村 明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (40325642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉浦 孝一郎 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00304931)
黒滝 直弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (20423634)
小澤 寛樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (50260766)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 家系研究 / 次世代シーケンサー / 自閉スペクトラム症 / 神経発達症群 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は大統合失調症家系の詳細な解析により、家系特異的なエフェクトサイズの比較的大きな遺伝子を絞り込み、統合失調症の病因解析について次の一歩を踏み出すことを研究の目的としている。現時点で、我々は、長崎県内で、3世代で統合失調症関連障害の家系メンバー13人を含む大家系を発見している。これは全国的にも最大規模の家系と思われる。現時点で家系メンバー10名の採血、DNA抽出を終えている。統合失調症とその関連障害について、その発症脆弱性にかかわる遺伝子を同定するため、我々は統合失調症大家系に対して、次世代シーケンサーillumina HiSeq 2500を用いたエクソーム解析を行った。 現在我々は、統合失調症発症脆弱性にかかわる可能性のある遺伝子として2つの遺伝子(Gene A、Gene Bとする)を同定している。Gene Aではwild typeではC/Cとなる遺伝子多型が、家系内の統合失調症罹患者ではC/T、非罹患者ではC/Cで一致していた。またGene Bでは同様に統合失調症罹患者ではA/G、非罹患者ではA/Aであった。Gene Aに関しては、神経細胞の分化にかかわる機能を持つことがわかっており、機能的にも統合失調症発症脆弱性に関係している可能性が考えられた。 今後はできるだけ多くの統合失調症罹患者/非罹患者を対象として、関連研究を行い、これらの2つの遺伝子が統合失調症の発症に関連している可能性を検討する予定である。また家系内の自閉スペクトラム症を持つ対象者についても検討を続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに統合失調症発症脆弱性にかかわる可能性のある遺伝子の絞り込みができている。
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Strategy for Future Research Activity |
統合失調症発症脆弱性にかかわる遺伝子についてさらに検討を進める。また家系内の統合失調症非罹患者について、自閉症傾向やARMSについての調査を進める。
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Causes of Carryover |
次世代シーケンサーが予想よりも安価で使用できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、次世代シーケンサーをさらに活用し、また関連研究を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)