2015 Fiscal Year Research-status Report
デジタルファントムによる超音波画像診断トレーニングシステム構築のための基礎的検討
Project/Area Number |
26461781
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
作原 祐介 北海道大学, 大学病院, 助教 (40374459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 與亮 北海道大学, 大学病院, 准教授 (10374232)
宮本 憲幸 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (10707110) [Withdrawn]
阿保 大介 北海道大学, 大学病院, 助教 (30399844)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 画像処理 / 超音波画像 / 仮想現実空間 / CT / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
※26年度の進捗でやや遅れていた、USトレーニング用ファントム(京都化学社 ABDFAN)のCT画像をベースにした画像処理の実験について:昨年度のCT撮像方法で取得した画像データでは、USトレーニングファントムがCT撮像を前提に作られていないため、CT画像で内部の構造の判別が非常に難しく、画像処理に時間がかかっていたが、27年度はCTの撮像装置、撮像条件を変更することで前年度よりも内部構造の分離同定が容易になり、計画していた実験を進める事ができるようになった。このCT画像データを用い、デジタルファントム画像処理技術により①超音波画像のような画質、②CT画像のような画質、③MR画像のような画質、のいずれも作成可能であることがわかった。現在、画質をより実臨床のものに近づけるための方法を模索している。 1. デジタルファントムにおける各種病態の再現:上記1.の技術改善により、デジタルファントム上に任意に仮想病変を作成し、超音波プローブの動きに合わせて正確に同期させることに成功した。これにより、US-CTフュージョンイメージング装置のモニターで、実際のUSトレーニングファントム内に存在しない仮想病変を作成し、病変識別のトレーニングを行うことができる可能性があることを明らかにした。 2. 腫瘍性病変以外の病態の再現:脂肪肝や慢性肝障害で生じる、臓器のエコーレベルの変化も、デジタルファントム上で再現可能であることが明らかになった。現在、腎や膵など他の腹部臓器で同様の画像処理が可能かどうか、また、その他様々な病態の再現について検証を継続している。 3. 本研究で得た成果・技術を用いた検証結果を論文で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
デジタルファントム上で、血管構造の様に長く連続する索状構造を作成する試みについてはまだ完遂していない。基本は腫瘤状の病変を作成する技術を応用することで可能と考えており、現在研究を進めている。 また、画像ガイド下経皮的穿刺治療のトレーニングを目的として、仮想現実空間に任意の穿刺経路を設定し表示する手法についても、上記の血管構造作成の技術を応用する事を考えていたが、同じ理由でまだ完成していない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度に計画していた、デジタルファントム上での血管病変・血管構造を作成する技術、及び経皮的穿刺トレーニング用の穿刺経路を表示する技術の確立を、可及的速やかに完遂する。 作成した技術をUSトレーニングに利用できるかどうかを、実際にUS術者に使用してもらい、有用性を探る。また、初学者が本システムを利用することで、US検査の技術がどのくらい向上するかを検証する。
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Causes of Carryover |
27年度は研究補助員による画像解析を行う予定だったが、画像解析システムを購入する事で、研究責任者および研究分担者で予定の研究の大部分を遂行した。しかし、研究の進捗が一部予定より遅れたため、購入を検討していた画像解析システムおよびソフトウエアが購入に至らず、次年度に持ち越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在進行中の画像作成技術の確立を可及的速やかに完了するために必要な機器、ソフトウエアを購入する。また、実験を加速させるための情報収集を目的とした、学会や研究機関への旅費として利用する。
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Research Products
(2 results)