2014 Fiscal Year Annual Research Report
自家半月板砕片移植が半月板欠損部におけるin situ半月再生に関する研究
Project/Area Number |
26462256
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河口 泰之 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40612297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和則 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20166507)
近藤 英司 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60374724)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 半月板 / 自家組織移植 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的)研究者らは、砕片化した家兎自家半月板移植が半月板大欠損部に線維軟骨組織を再生させることを発見した。しかしその機序は明らかではない。本研究では、家兎を用い、凍結解凍処理によって内在性細胞を死滅させた自家半月板マトリクス砕片移植と、自家半月板(内在性細胞+マトリクス)砕片移植の効果を比較することにより、内在性細胞移植とマトリクス移植の効果を分離して再生機序の解明を行うことである。 (方法)日本白色家兎75羽を用い、右膝内側半月板前節に3x5mmの欠損を作製し、以下の3群に分けた。I群は、欠損部を筋膜で被覆しその中に砕片化した自家半月板を移植した。II群は、筋膜内に凍結解凍処理した自家半月板砕片を移植した。III群は何も処置を加えなかった。各群は3、6、12週で5羽ずつ屠殺し、肉眼的および組織学的定量評価を、各群6、12週で5羽ずつ屠殺し、引張試験による力学的評価を行った。統計解析には分散分析を用いた。 (結果)1)肉眼的評価:いずれの時期においてもIおよびII群がIII群より有意に高値(p<0.01)であった。2)組織学的評価:6および12週でI群がIIおよびIII群より有意に高値(p=0.04)であり、II群はIII群より有意に高値(p<0.01)であった。3)力学的評価:12週におけるI群の最大破断荷重および線形剛性はII群のそれより有意に高値(p<0.01、p=0.02)であった。III群はIおよびII群より有意に低値であった。 (考察)本研究では凍結解凍処理した自家半月板砕片移植による、半月板欠損部への効果は、自家半月板砕片移植に比べて組織学的にSafranin-Oの低染色性を示し、最大破断荷重および線形剛性においても有意に低値を示した。自家半月板砕片移植による半月板再生効果は、移植された半月板内在性細胞と細胞外マトリクスの両者の複合効果である可能性を強く示唆した。
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Research Products
(2 results)