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2014 Fiscal Year Research-status Report

血友病性関節症の新しい治療法開発に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26462286
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

廣瀬 旬  東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (00456112)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安井 哲郎  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30583108)
長村 登紀子(井上登紀子)  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70240736)
竹谷 英之  東京大学, 医科学研究所, 講師 (90206996)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords血友病性関節症 / 血友病Bモデルマウス
Outline of Annual Research Achievements

血友病Bモデルマウスの右膝を30G針で穿刺することにより関節内出血を惹起した。穿刺をしない左膝をコントロールとして用いた。穿刺を行った右膝は関節内出血により著明に腫脹し、関節横径を経時的に計測したところ穿刺後4週間程度は腫脹が継続していた。穿刺後2週間および5週間後に膝関節のレントゲン撮影を行ったところ、2週間ではほとんど変化が見られなかったが、5週間では関節裂隙の狭小化や骨棘の形成といった関節症変化が認められた。さらに5週間後の膝CTを撮影したところ、コントロールと比較して穿刺側に著明な関節破壊が起こっていることが確認された。
穿刺後2週間の膝から組織切片を作成してHE染色を行ったところ、関節内に多数の炎症性細胞が浸潤している像が得られた。サフラニンOにて染色を行ったところ、関節の辺縁に骨棘と考えられる異所性の軟骨形成が認められた。また、関節内の他部位においても異所性の軟骨が認められた。
滑膜炎による関節破壊をきたす疾患の代表である関節リウマチにおいては破骨細胞が骨破壊の主役を担っていることが分かっている。そこで、関節内出血後の膝組織切片において破骨細胞を特異的に染色するTRAP染色で行ったところ、通常では破骨細胞が存在しない滑膜に破骨細胞が存在することが確認された。
次に、関節内で実際に炎症性サイトカインの発現が亢進していることを確認するため、TNF-α、IL-1β、IL-6に対する抗体を用いて膝関節の組織切片の免疫染色を行ったところ、肥厚した滑膜においてこれらの発現が著明に亢進していることが明らかとなった(図2)。また、破骨細胞分化に必須の分子であるRANKLに対する免疫染色を行ったところ、こちらも滑膜において発現が亢進していることが確認された。ここまでの研究で血友病性関節症の発症・進行における炎症性サイトカインおよび破骨細胞の関与が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ほぼ研究経過に沿った実験を行えたが、条件検討に時間を費やしたことにより一部出来ていない部分がある。

Strategy for Future Research Activity

今後はさらにDNAマイクロアレイなどを用いた網羅的解析により血友病性関節症滑膜における遺伝子発現を検討するとともに、実際に抗サイトカイン抗体などの薬剤を投与してその効果を検討する予定である。

Causes of Carryover

血友病性関節症モデルの作成や条件検討に時間がかかり、当初予定していた検体の解析に一部施行できなかった部分があったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度に行えなかった免疫染組織化学染色やin situ hybridyzationなどの解析を、次年度に計画している実験と並行して行っていく。

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Published: 2016-05-27  

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