2015 Fiscal Year Research-status Report
バランス麻酔の虚血心筋保護戦略―心肺蘇生モデルによる検討―
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26462363
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉富 修 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30380926)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 虚血再灌流 / 気絶心筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
周術期心筋虚血は予後に影響する重大な合併症である。手術および麻酔の侵襲は周術期の循環動態を大きく変化させ、心筋虚血のリスクを増加させる。心筋虚血を予防するとともに、心筋虚血再灌流障害に対する効果的な保護治療を施すことにより、周術期の心血管事故を減少させ、予後を改善することに繋がる。我々はこれまで心筋局所の虚血再灌流モデルを用いて、各種薬剤の気絶心筋に対する保護効果を検討し、成果を報告してきた。しかし、臨床において周術期に認められる気絶心筋は、心臓手術人工心肺離脱後、臓器移植再灌流後、心血管イベント後などであり、心臓全体の収縮不全を呈することが多い。本研究では、豚の全身麻酔下生体モデルを用いて、より臨床に則した心室細動からの心肺蘇生モデルを作製し、その病態における心収縮力、心筋傷害マーカーおよび酸素需給バランスを解析し、各種薬剤の組み合わせによる薬理学的制御について検討する。 前年度、コントロールの心肺蘇生モデル作成に難渋したが、今年度は経食道心エコーによる収縮能および拡張能の評価を加えたモデルを確立できた。今後、このモデルを用いて各種薬剤の組み合わせによる薬理学的制御について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
経食道心エコーの機器整備などに時間を要し、モデル確立に難渋した。
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Strategy for Future Research Activity |
経食道心エコーによる収縮能および拡張能の評価を加えた心筋虚血再灌流モデルを確立し、各種薬剤の組み合わせによる気絶心筋に対する薬理学的制御について検討する。
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Causes of Carryover |
モデル確立に時間を要したため、使用薬剤や消耗物品の購入が次年度以降に多く必要となるため。また経食道心エコーが老朽化しているため、今後も整備が必要となる可能性があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検討を行う各種薬剤および消耗物品 成果を学会等で発表するための旅費および論文投稿にかかる費用
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