2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ischemic myocardial protection strategy by the balanced anesthesia-Examination by the cardiopulmonary resuscitation model-
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26462363
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉富 修 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (30380926)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 / 気絶心筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術および麻酔の侵襲は周術期の循環動態を大きく変化させ、その結果として臓器障害のリスクを増加させる。臓器の虚血再灌流障害に対する効果的な保護治療を施すことは、予後改善にも繋がる。本研究では動物の全身麻酔下生体モデルを用いて、より臨床に則した虚血再灌流障害モデルを作製し、その病態における保護作用およびその機序について検討を行った。実際の臨床における周術期管理では、麻酔薬および多くの周術期関連薬剤を使用しているのが現状である。より臨床に則した薬剤の保護作用を検討することにより、周術期の適切な薬剤選択を可能とし、安全な周術期管理に貢献する。 臨床使用量の吸入麻酔薬セボフルランの肝虚血再灌流障害に対する保護効果とその機序について検討した。セボフルランによるプレコンディショニングおよびポストコンディショニングは、プロポフォールと比較して肝虚血再灌流障害に対して保護効果を示した。この作用機序にはストレス誘導蛋白の一つであるヘムオキシゲナーゼ-1の活性化が関与していることが示唆された。この研究成果を日本麻酔科学会学術集会で発表し、現在論文投稿中である。 ブタの気絶心筋モデルを用いて、糖尿病治療薬の一つであるリラグルチドが心筋虚血再灌流障害からの回復に与える影響について検討した。リラグルチドの虚血前または再灌流後静脈投与はブタの気絶心筋の収縮能の回復を改善させた。この研究成果を日本麻酔科学会学術集会で発表する予定であり、さらに機序に関する研究を加えて論文投稿する予定である。
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