2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の痛みにおける高齢者総合的機能評価およびエピジェネティクスの関与の解明
Project/Area Number |
26462375
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
廣瀬 宗孝 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50275228)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / エピジェネティクス / TRPA1 / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の慢性痛と末梢血細胞におけるエピジェネティックな影響を慢性痛患者で検討した。慢性痛患者の痛み指標(DN4、マギル疼痛質問票)、うつ状態、不安状態、認知機能、基本的ADLを評価し、末梢血細胞のmRNA発現とDNAメチル化をマイクロアレイを用いて測定し、比較検討した。結果は神経障害性疼痛の指標とされるDN4の値と、transient receptor potential ankyrin 1(TRPA1)のDNAメチル化増加およびTRPA1 mRNA発現の減少が関与することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究によりヒトの慢性疼痛のメカニズムを明らかにするために新規知見が得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトの慢性疼痛患者の痛み症状は、これまで中枢神経系の役割が大きいと考えられてきた。しかし血液細胞の変化と痛み症状が関与しているということは、神経免疫相互作用を介して、神経系の変化が何らかのメカニズムにより末梢血細胞に反映されている可能性があることを示唆する。ヒトの慢性疼痛における症状と神経免疫相互作用の関係解明をさらに進めることは、慢性疼痛治療に結び付くものと考える。
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Causes of Carryover |
遺伝子解析で使用予定額がサンプル数減少のため予定額より減額となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度の遺伝子解析で使用する予定である。
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Research Products
(3 results)