2014 Fiscal Year Research-status Report
卵管上皮局在ペプチドによる卵管内腔環境の構築とストレスの関係
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26462486
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
江藤 みちる(伊田みちる) 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80393148)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経ペプチド / ストレス / ラット / 卵管 / 分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
不妊は大きな社会問題であり、要因の一つにストレスが指摘されているが、その詳細は明らかでない。本研究では、ストレス応答性を持ち卵管分泌細胞に局在する生理活性ペプチド「マンセリン」に着目し、卵管におけるマンセリンの機能とストレスとの関係を明らかにすることを目的とする。本年度は、卵管におけるマンセリンの基礎的データを収集するため、性周期に伴う変化および発生・発達に伴う変化についての検討を行った。 (1)性周期に伴う変化:生後8週の雌ラットを灌流固定し、卵管と膣の組織切片を作製した。HE染色を行い、膣の上皮形態変化から性周期を同定した。卵管におけるマンセリンの局在については、卵管内腔上皮細胞マーカー抗体(繊毛細胞:β-tubulin IV、分泌細胞:oviductin)および抗マンセリン抗体を用いて免疫組織化学を行った。マンセリンは卵管峡部の内腔表面にてoviductinと共局在していた。性周期(発情前期、発情期、発情後期、間期)での局在変化は見られなかった。 (2)発生・発達に伴う変化:生後7日および14日の雌ラットを灌流固定し、(1)と同様にマンセリンおよびβ-tubulin IV, oviductinに対する抗体を用いて免疫組織化学を行った。生後7日ではマンセリンは卵管内腔に局在せず、生後14日で卵管内腔の一部にマンセリンの局在が見られた。 以上の結果から、ラット卵管においてマンセリンは発達に伴って発現が増加し、成獣におけるマンセリンの発現は性周期に依存しないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、卵管マンセリンの性周期に伴う変化および発生・発達に伴う変化を明らかにすることができた。次年度に計画しているストレスラットの作製はすでに準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
卵管におけるマンセリンのストレス応答性を明らかにするため、ストレスラットを作製して卵管マンセリンの局在変化を解析する。さらに、ストレス下での下垂体におけるマンセリンの局在変化について、卵胞刺激ホルモンや関連ペプチド(キスペプチンなど)の関係も合わせて解析する。
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Research Products
(5 results)