2014 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜症合併不妊に対するNFkBを標的とする新規薬物療法の開発
Project/Area Number |
26462490
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷口 文紀 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40322218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 省 鳥取大学, 医学部, 教授 (40218649)
伊澤 正郎 鳥取大学, 医学部, 特任教授 (50032222)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌性エンドトキシンの一種であるLipopolysaccharide(LPS)は、炎症反応を惹起することが知られており、子宮内膜症モデルマウスを用いてLPSが内膜症病巣形成に及ぼす影響を検討した。同系マウス子宮の腹腔内移植により、マウス子宮内膜症モデルを作製した。LPS投与4週後の子宮内膜症様病巣について評価し、マウスあたりの病巣について検討した。病巣組織の細胞増殖能、血管新生および炎症反応について、免疫組織化学染色法およびRT-PCRを用いて比較した。LPS投与により、病巣個数は平均1.7個から2.9個に増加した。病巣総重量は対照群の130%に、表面積は138%に増加した。子宮および卵巣の重量に差はなかった。LPS投与により、病巣組織中の細胞増殖能を示すKi-67および血管新生能を表すPECAM陽性細胞比率は上昇し、T細胞とマクロファージの集簇を表すCD3およびF4/80の染色性の増強を認めた。LPS投与群で、Cox-2、VegfおよびIl-6mRNAの発現が有意に亢進した。子宮内膜症モデルマウスにおいて、LPSが炎症反応を促し、細胞増殖に関与していることを確かめた。細菌性エンドトキシンが骨盤内炎症を惹起することで内膜症病巣形成を促進することが示唆された。これらの成績の一部は、国内外の学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス卵胞培養系に着手しているが、容易な手技ではないことから、得られるデータがまだ未熟である。マウス痛覚試験を開始し、データも得られており概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
他の薬剤(抗炎症作用を有する)による実験も並行しており、マウスモデルにおける影響を検討する。マウス体外卵胞培養系を確実な実験系にする。
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Research Products
(4 results)