2015 Fiscal Year Research-status Report
KCNQ4遺伝子変異による高音障害・皿形難聴発症メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
26462556
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
内藤 武彦 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (50467164)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 難聴 / 遺伝子 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当施設および共同研究施設より常染色体優性遺伝形式をとる難聴患者100例を対象に書面で同意を得てDNAを採取し、KCNQ4遺伝子の解析を直接シークエンス法で行なった。また、聴力像などの臨床情報を収集し、遺伝子型と臨床像の相関を解析を行った。特に、KCNQ4遺伝子変異では難聴の進行、耳鳴、癲癇の合併の可能性があるため、臨床症状のレトロスペクティブに臨床情報の収集を行った。 また、前年度までの検討により、KCNQ4の特定の変異は、皿形および低音障害型の難聴を取る非典型例となることが明らかとなっていたことより、優性遺伝形式をとる難聴家系で皿形および低音障害型の難聴を取る症例を対象にKCNQ4遺伝子の直接シークエンス解析を実施した。 また、特殊な聴力像が生じるメカニズムを明らかにすることを目的に、マウス内耳より頂回転、中回転、基底回転の組織を得て、遺伝子発現解析を行った。データに関しては現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり日本人難聴患者のスクリーニング解析を行うとともに、マウスモデルを用いた検討を開始できた。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度に実施したスクリーニング検査によりKCNQ4遺伝子変異の見出された家系よりRNAサンプルを得てcDNAを作成、cDNAよりクローニングしたKCNQ4遺伝子に、部位特異的変異導入法を用いて新規に見出されたKCNQ4 遺伝子変異を導入する。新規遺伝子変異を導入したKCNQ4遺伝子を鋳型に、無細胞タンパク質合成システム(Pure System等)を用いてin vitroタンパク合成を行い変異タンパク質を合成する。得られた変異タンパクを用いて、ビアコアを使用し変異体同士の結合能を測定する。このときアナライト側に、変異KCNQ4を用いたときの結合能・解離能(カイネティクス)と、野生型KCNQ4を用いたときの結合能・解離能を比較検討する。
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