2015 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌における長鎖遺伝子間ncRNAのエピジェネティック制御について
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26462599
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三澤 清 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90334979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 志織 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (10625205)
峯田 周幸 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40190714)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAのメチル化を始めとするエピジェネティックな変化が、RNA合成、ひいてはタンパク質の発現を抑制することから、癌化機構の一つとして認識されている。近年、トランスクリプトーム解析によって同定された遺伝子間領域から転写される大小さまざまな非コードRNA(non-coding RNA)群が、ヒストン修飾酵素複合体と結合し、特異的な標的遺伝子の発現制御にかかわっていることが明らかにされつつある。 今回我々は、長鎖遺伝子間non-coding RNA(lincRNA)に注目し、頭頸部癌におけるエピジェネティック制御におけるlincRNAの役割について調べ、エピゲノム異常の知見を蓄積していきたい。本研究計画では、RNAからDNAへの解析と、DNAからRNAへの解析の2つアプローチで行う。①UMSCC1細胞株のtotal RNAを使ってのマイクロアレイ解析②臨床検体のtotal RNAを使ってのlincRNA発現解析と近傍遺伝子のDNAメチル解析③GALR1遺伝子とSALL3遺伝子に関連のある新規lincRNAの探索の3つの研究を行う今回は、長鎖遺伝子間non-coding RNA(lincRNA)に焦点を絞り、頭頸部癌におけるエピジェネティック制御におけるこれらのRNAの役割について調べることを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロアレイ解析によって、同定されたlincRNAの近傍に位置する新規遺伝子(M)をエピジェネティック修飾(DNAメチル化)しているか解析する。全ゲノムクロマチン免疫沈降シークエンス法によって得られたデーターとの照合も行なった。マイクロアレイ解析した同一症例からのDNAをバイサルファイト処理しDNAメチル化解析を行う。新規遺伝子(M)のプロモータ領域のCpGリッチな領域に定量的メチル化特異的PCR(Q-MSP)のプライマーをデザインする。解析には、当研究室に保有するTaKaRa Real-Time System TP800を使用する。対象は80例で予後解析も併せて行なった
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部癌において隣り合ったGALR1とSALL3遺伝子に高頻度に DNA methylation(メチル化)を認めている。GALR1とSALL3遺伝子の高メチル化症例に、蛍光免疫染色でEZH2蛋白の高発現を認め、予後が不良であった。(図7)これらのデーターから、GALR1とSALL3遺伝子の高メチル化は、これらの遺伝子の近傍にあるlincRNAがEZH2を誘導しDNAメチル化を引き起こし発現低下させている可能性がある。その未知のlincRNA-Xを特定し、lincRNA-XとEZH2をsiRNAでノックダウンさせ、GALR1とSALL3遺伝子のメチル化度が変化するのか解析する。
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Causes of Carryover |
予想より研究がスムースにすすみ消耗品の消費を最小限に済ますことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、大型機器を使った解析を予定しており予算を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)