2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462726
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中井 國博 福井大学, 医学部附属病院, 准教授 (80362705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 盾貴 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00362707)
中江 文 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (60379170)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 疼痛 / 脳内メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画通りに痛み動物モデルの脳内伝達の解明を目指し、ラットの痛みモデルを作成した上でその疼痛行動を評価し11.7テスラ高解像MRIを用いてMRI画像を撮像するとともにMRスペクトロスコピーを含めた脳内のイメージング解析に着手した。また、イメージング解析による脳内変化および痛みの作用部位の結果を検討するに先立ち、アミトリプチリン・フルボキサミン・ミルタザピン・デュロキセチンなどの抗うつ薬やアリピプラゾール・クロザピン・オランザピン・リスペリドンなどの抗精神病薬が作用する脳内神経伝達物質の受容体について作動薬と拮抗薬を用いて痛みに対する効果を検討した。MRI画像による脳内のイメージング解析に関しては、当初の計画で考えられた顔面術後痛モデル、足底術後痛モデル、眼窩下神経絞扼モデル、坐骨神経絞扼モデルの内で痛みの行動評価をしたうえで症状が強く出た眼窩下神経絞扼モデルをまず選択し痛みの症状がはっきり現れてくる術後14日目に対してMRI画像の撮影を行った。現在脳内の変化を条件や設定を調整しながら解析中である。抗うつ薬や抗精神病薬が作用する脳内神経伝達物質の受容体に対する作動薬と拮抗薬の痛みの効果に関しては、セロトニン受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体のサブタイプについて脳内のイメージング解析で用いたのと同じ眼窩下神経絞扼モデルに対してくも膜下に作動薬と拮抗薬の投与を行い疼痛行動抑制効果を検討した。その結果、セロトニン受容体では5HT2B受容体が、アドレナリン受容体ではα2aとα2c受容体が、ドーパミン受容体ではD1、D2、D3、D4受容体が関与することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRI画像による脳内のイメージング解析に関しては、当初の計画のとおり眼窩下神経絞扼モデルでMRI画像の撮影を開始することができた。条件や設定を調整しながら脳内の変化や痛みの作用部位に対する解析を現在遂行中である。解析結果が明らかになれば経時的変化および他の痛みモデルである顔面術後痛モデル、足底術後痛モデル、坐骨神経絞扼モデルにおいてMRI画像の撮影に着手する予定である。脳内のイメージング解析に関しては当初の計画通り進展していると考えられる。イメージング解析による脳内変化および痛みの作用部位の結果を検討するに先立ち、アミトリプチリン・フルボキサミン・ミルタザピン・デュロキセチンなどの抗うつ薬やアリピプラゾール・クロザピン・オランザピン・リスペリドンなどの抗精神病薬が作用する脳内神経伝達物質の受容体について作動薬と拮抗薬を用いて痛みへの効果に関する解析では、セロトニン受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体のサブタイプについて脳内のイメージング解析で用いたのと同じ眼窩下神経絞扼モデルに対してくも膜下に作動薬と拮抗薬の投与を行い疼痛行動抑制効果を検討した。セロトニン受容体では5HT2B受容体が、アドレナリン受容体ではα2aとα2c受容体が、ドーパミン受容体ではD1、D2、D3、D4受容体が関与する結果が得られた。この結果は抗うつ薬や抗精神病薬による疼痛抑制効果の脳内メカニズムを解明するにあたり非常に有意義であり、当初の計画以上に進展していると考えられる。この結果に検討を加え国際学会の発表および論文投稿を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
MRI画像による脳内のイメージング解析に関しては、眼窩下神経絞扼モデルで得られたMRI画像に対して条件や設定を調整しながら脳内の変化や痛みの作用部位に対する解析を遂行する。解析結果が明らかになれば経時的変化および他の痛みモデルである顔面術後痛モデル、足底術後痛モデル、坐骨神経絞扼モデルにおいてMRI画像の撮影および解析に着手する予定である。アミトリプチリン・フルボキサミン・ミルタザピン・デュロキセチンなどの抗うつ薬やアリピプラゾール・クロザピン・オランザピン・リスペリドンなどの抗精神病薬による疼痛抑制効果の脳内メカニズムを解明については、引き続き抗うつ薬や抗精神病薬が作用する脳内神経伝達物質の受容体についてセロトニン受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体に加えアセチルコリン受容体、カンナビノイド受容体についても痛みモデルを用いて疼痛行動抑制効果を解析する。セロトニン受容体では5HT2B受容体が、アドレナリン受容体ではα2aとα2c受容体が、ドーパミン受容体ではD1、D2、D3、D4受容体が疼痛行動抑制効果に関与した。この結果は検討を加え国際学会の発表および論文投稿を予定している。痛みモデルでの脳内の変化や痛みの作用部位に対する脳内のイメージング解析結果が明らかになればその結果に合わせた実験計画を検討する。
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Causes of Carryover |
MRI画像による脳内のイメージング解析に関しては、眼窩下神経絞扼モデルMRI画像データが得られたが、条件や設定を調整する必要もあり脳内の変化や痛みの作用部位に対する解析結果がはっきり得られる状況にまでには達しなかった。そのためターゲットを絞った抗うつ薬や抗精神病薬による疼痛抑制効果の脳内メカニズムについての実験に着手できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
痛みモデルでの脳内の変化や痛みの作用部位に対する脳内のイメージング解析結果が明らかになった段階でそれに合わせてターゲットを絞った抗うつ薬や抗精神病薬による疼痛抑制効果の脳内メカニズムおよび抗うつ薬や抗精神病薬が作用する脳内神経伝達物質の受容体の関与についての実験に着手する。
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