2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462842
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北村 直也 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (70351921)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (00200824)
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (40363288)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 口腔扁平苔癬 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
【緒言】近年、インフラマソームの活性化が多くの炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患の発症および病態に深く関与することが言われるようになってきていることから、本研究では、OLPの発症および病態におけるインフラマソームの関わりを明らかにすることとした。 【方法】OLP罹患口腔粘膜組織50例および正常口腔粘膜組織10例を用いて免疫組織化学染色にてインフラマソームを構成するパターン認識受容体のNLRP3、アダプタータンパク質のASCおよびインフラマソームにより活性化される因子であるcaspase-1とcaspase-1により産生が誘導されるIL-1ファミリーサイトカインのIL-1β発現細胞の局在と発現の解析を行い、比較検討を行った。 【結果】パターン認識受容体であるNLRP3は正常口腔粘膜組織の角質層および基底上層に強く染色された。それに対し、OLP組織では上皮全体に弱く染まっている一方で、浸潤リンパ球に強い染色性が認められた。一方、ASCは正常粘膜およびOLPともに、粘膜上皮全体に強く染色されていたが、OLPでは上皮下に浸潤しているリンパ球にも強い染色が認められた。caspase-1は、正常粘膜およびOLPともに、粘膜上皮の基底層と基底上層に染色されたが、OLPではASCの染色性と同様に、上皮下に浸潤するリンパ球にも強く染色されていた。最後に、IL-1βは、正常粘膜では基底上層に強く染色されていたのに対し、OLPでは基底層と基底上層の両方において染色性が認められ、上皮下に浸潤するリンパ球も染色された。 【結論】以上のことから、OLPの病態形成には、粘膜上皮下に浸潤するリンパ球におけるインフラマソームの活性化が関連していることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床材料を用いた免疫組織化学染色は完了したが、臨床病理学的因子との関連についての検討が未着手のため、やや遅れていると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回の免疫染色結果と、臨床病理学的因子(性別、年齢、臨床型、部位、炎症細胞浸潤度、角化度、罹患期間、ステロイド奏功性、悪性化の有無など)との関連について解析を行うとともに、OLP患者の病変部ケラチノサイトおよび末梢血単核球を用いたIn vitroにおける検討を推進していく。具体的には、細胞レベルでNLRP3、ASC、caspase-1、 IL-1βの発現をWestern blottingおよび定量的RT-PCR法を用いて検討するとともに、これらの細胞を用いて、IL-1β産生とcaspase-1活性に及ぼす候補DAMPsの影響について検討する。
|