2016 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of NLRP3 inflammasome in oral lichen planus
Project/Area Number |
26462842
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北村 直也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (70351921)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00200824)
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (40363288)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 口腔扁平苔癬 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】口腔扁平苔癬(OLP)の病因は未だ明らかにされていないが、局所におけるサイトカイン産生の亢進に基づく粘膜上皮細胞に対する過剰な免疫応答の可能性が示唆されている。近年、外来性および内在性の危険分子を認識してCaspase-1を活性化し、IL-1β、IL-18の分泌、さらには、細胞死を促す細胞質内タンパク質複合体であるインフラマソームの活性化が種々の炎症性疾患の発症および病態に関わることが明らかにされつつある。そこで、口腔粘膜上皮細胞およびマクロファージにおいて金属ナノ粒子がインフラマソームを活性化するかどうかを検討した。 【方法】不死化正常口腔粘膜上皮細胞RT-7およびPMAで処理してマクロファージに分化させたヒト単球様細胞株THP-1を金属ナノ粒子(金、銀)で処理し、Caspase-1の活性化をWestern blot法、IL-1βの産生レベルをELISA法にて検討した。これらとともに、増殖能をWST-1 assay、アポトーシスをAnnexinV-PIによるフローサイトメトリー法にて検討した。 【結果】金および銀ナノ粒子処理によりRT-7およびTHP-1においてCaspase-1の活性化が生じるとともに、濃度依存性にIL-1βの産生レベルが亢進した。その効果はTHP-1においてより顕著に認められた。金属ナノ粒子処理により誘導されるIL-1βの産生亢進はNLRP3-siRNAをトランスフェクションしたノックダウン細胞において抑制され、Caspase-1阻害剤であるAc-YVAD-cmk処理によっても低下した。以上のことより、金属ナノ粒子は口腔粘膜上皮細胞およびマクロファージにおいてインフラマソームを活性化することにより炎症を惹起し、OLPを含む炎症性口腔粘膜疾患の病態形成に関与している可能性が示唆された。
|