2016 Fiscal Year Annual Research Report
Application of electromagnetic wave irradiation to deep caries lesion.
Project/Area Number |
26462885
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松尾 敬志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (30173800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 正 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 准教授 (00217770)
湯本 浩通 徳島大学, 病院, 講師 (60284303)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 深在性齲蝕 / 歯髄炎 / 高周波/電磁波治療 / 歯髄細胞 / 象牙芽細胞 / 自然免疫機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
高周波/電磁波治療を深在性齲蝕そして初期歯髄炎へ応用するにあたり、高周波/電磁波の生体に対する効果と影響、そして病因と病態、特に歯髄炎のpathogenesisを解明する必要がある。高周波/電磁波治療はジュール熱を発生するため殺菌作用とともに組織為害作用があると考えられるが、その作用範囲は非常に狭く、少し離れたところでは生体の細胞、とくに硬組織形成細胞の活性化を促進することを見出し、さらにこれはERK1/2およびp38 MAPK経路を通じて作用を発揮することを報告した(Cell Physuol Biochem, 35, 2015)。しかし、研究の当初に予想していた象牙細管内細菌殺菌および静菌効果については、それほどの作用は示さず、さらなる出力および照射条件の探索が求められる結果となった。 歯髄炎の初期病態の解明については大きな前進があった。歯髄炎の発症には歯髄の自然免疫機構が関与していると考えられるが、未だに未解明である。今回、歯髄細胞がインターフェロン-γを通じてケモカイン(CXCL10)産生やIL-6産生、さらにインドールアミン2,3デオキシゲナーゼの産生を誘導することを見出した(J Endod, 40, 2014)。さらに、ヒト歯髄細胞が炎症によって産生するVEGFおよびCOX-2がカテキンにより抑制されることを見出した(Int EndodJ, 48, 2015)。また、深在性齲蝕では菌体成分が象牙芽細胞に作用し起炎すると考えられるが、自然免疫機構で重要な働きをするパターン認識受容体であるNOD1が象牙芽細胞に存在し、菌体成分と結合することにより、IL-8やCCL20などのケモカインを産生することを明らかとした(BioMed Res Int, 2016)。今後、これらに対する高周波/電磁波の生体に対する効果を検討して行く予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 新規開発したラット根管治療モデルを用いた電磁波根尖療法の評価2016
Author(s)
松井沙織, 呉本勝隆, 米田直道, 恵比須繁之, 湯本浩通, 的場一成, 石本卓也, 中野貴由, 野杁由一郎, 林美加子
Organizer
日本歯科保存学会2016年度秋季学術大会
Place of Presentation
キッセイ分化ホール, 長野県, 松本市
Year and Date
2016-10-27 – 2016-10-28
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[Book] 第5版保存修復学212017
Author(s)
田上順次,奈良陽一郎,山本一世,斉藤隆史,阿南壽,北村知明,斎藤正寛,佐野英彦,新海航一,千田彰,西谷佳浩,野田守,林美加子,林善彦,平山聡司,福島正義,古澤成博,堀田正人,前田英史,松尾敬志 他60名
Total Pages
321(1-7)
Publisher
永末書店
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[Book] 第2版保存修復学専門用語集2017
Author(s)
興地隆史,林美加子,阿南壽,石原裕一,新海航一,野田守,長谷川篤司,原宣興,古市保志,松島潔,吉山昌宏,赤峰昭文,池見宅司,恵比須繁之,片山直,加藤喜郎,北村知明,久保至誠,久保田稔,松尾敬志 他70名
Total Pages
129
Publisher
医歯薬出版