2015 Fiscal Year Research-status Report
血管新生のin vitro評価系構築と周術期血管新生医療への貢献
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26463070
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高石 和美 徳島大学, 大学病院, 講師 (20325286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畑 洋 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (60161486)
川人 伸次 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任教授 (60284296)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血管新生 / 細胞遊走 / 血管内皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管新生の各段階には,血管内皮細胞増殖因子の放出,血管内皮細胞の増殖,線維芽細胞の増殖,血管内皮細胞の遊走などが関与している。昨年度の結果から,ヒト臍帯静脈内皮細胞と正常ヒト皮膚線維芽細胞を共培養したプレートを用いたin vitro血管新生に対して,高濃度ミダゾラム(50 μM)は,血管内皮細胞増殖因子(Vascular endothelial Growth Factor: VEGF)非存在下の3日間のin vitro血管新生を促進し,VEGF存在下では,高濃度ミダゾラムは3日間,10日間のin vitro血管新生を抑制した。また,血管内皮細胞の増殖に対する静脈麻酔薬の影響は昨年度にすでに検討した。 そこで今年度は,線維芽細胞の増殖,血管内皮細胞の遊走について検討した。まず,正常ヒト皮膚線維芽細胞を培養し,48時間の増殖能に対する静脈麻酔薬の影響を,WST-8試薬を用いて検討した。その結果,ミダゾラム(1, 10, 50 μM),ジアゼパム(1, 10, 50 μM),プロポフォール(50 μM),ケタミン(50 μM)は,正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖に影響を及ぼさなかった。次に,ヒト臍帯静脈内皮細胞を培養し,マイグレーションアッセイシステムを使用し,各ウェル上部へ細胞を播種した。ウェル下部の培養液には2%ウシ胎児血清を添加したものと添加していないものを使用し,静脈麻酔薬を作用させる場合には,ウェル上部と下部へ同濃度の静脈麻酔薬を含む培養液を使用した。細胞を播種して22時間後に,ウェル内のメンブラン下部へ遊走した細胞についてCalcien AMで染色した後,専用のプレートリーダーを用いて蛍光度を測定し比較した。ウェル下部に2%ウシ胎児血清を添加すると,有意に細胞遊走が促進したが,50 μMミダゾラムは,ウシ胎児血清により誘導された細胞遊走を有意に抑制した。ミダゾラム(1, 10 μM),ジアゼパム(1, 10, 50 μM),プロポフォール(50 μM),ケタミン(50 μM)は,細胞遊走に影響を与えなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究実施計画は,実験3(線維芽細胞の増殖に対する静脈麻酔薬の影響に関する検討),実験4(血管平滑筋細胞の増殖に対する静脈麻酔薬の影響に関する検討)および実験5(細胞遊走能に対する静脈麻酔薬の影響に関する検討)であった。このうち,実験3および5は順調に経過し予定通りに終了した。実験4は平成28年度に計画している実験(血管平滑筋細胞から産生される血管内皮細胞増殖因子に対する静脈麻酔薬の影響に関する検討)と合わせて検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,血管新生促進因子の産生に関する検討として,主に血管平滑筋細胞から産生される血管内皮細胞増殖因子に対する静脈麻酔薬の影響に関して検討する予定である。血管平滑筋細胞の増殖に対する静脈麻酔薬の影響に関する実験をあわせて推進する予定である。
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Causes of Carryover |
使用予定としていた共培養用プレートが販売停止となったことから、購入予定であった備品(吸光マイクロプレートリーダー)を購入しないこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
代替品への変更を行うとともに,現在進行中の実験結果と照合しながら消耗品等を購入予定である。
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[Journal Article] Impact of newly developed, next-generation artificial endocrine pancreas.2015
Author(s)
Kambe N, Kawahito S, Mita N, Takaishi K, Katayama T, Sakai Y, Soga T, Kawano H, Matsuhisa M, Shimada M, Kitagawa T, Kitahata H.
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Journal Title
Journal of Medical Investigation
Volume: 62
Pages: 41-44
DOI
Peer Reviewed
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