2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒト乳幼児モデルの真猿類マーモセットにおける成長発育と摂餌、咀嚼、嚥下機能の発達
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26463107
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
ゼレド ジョージ 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (10363459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (30161714)
長谷川 克也 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 開発員 (30425780)
馬場 麻人 奥羽大学, 歯学部, 教授 (90251545)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マーモセット / 成長・発育 / 小児歯科 / 乳幼児モデル / 嚥下 / 咀嚼 / 発声 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト実験モデルとして近年開発された真猿類マーモセットは、ヒトと同じ歯列I2C1P2M3(計32歯)をもち、永久歯列の完成が、マーモセットではわずか1年で終了するので、小児歯科研究用ヒト乳幼児モデルとして最適である。国産マーモセットを完全管理下で人工飼育し、マーモセットの成長発育と口腔機能の発達を、X線動画撮影装置などを用いて観察記録し、基礎的データを収集する。マーモセット乳幼児期における、歯の発生・萌出、歯列形成、咬合、咀嚼、嚥下などを網羅的に解析し、成長発育と口腔機能の発達を明らかにする。平成26年度では、雌雄3対のマーモセットの飼育交配を始め、計画通り平成27年8月初旬に周産期を迎える準備を整えることに成功した。当初は、旭川市立旭山動物園の協力を得て、同動物園でマーモセットの交配飼育を計画していたが、動物園側の都合(特に動物愛護倫理を討議する動物実験委員会の立ち上げ等の諸事情)により、予定通りのマーモセット妊娠・出産の見込みが立たなくなったが、代替として、日本で初めてマーモセット樹立に成功したマーモセット生育所(岐阜県)の全面的な協力を得られることが約束され、同生育場研究施設で本研究を遂行することに決定した。マーモセットは神経質なので実験用の飼育や訓練は熟練を要するが、初年度での予定通りの妊娠成立は、本年度の研究推進にとって極めて大きな促進力となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の成功の可否を握るマーモセットの安定した100%妊娠・出産を成功させるために、基本的に雄1対雌1の長期間同居方式でペアリングする。妊娠しないカップルは、早めに雌雄の交換を図る。研究の初年度で、所期の目的がほぼ達成されたのは、上記の点に留意して、慎重にマーモセット雌雄ペアを選別し、交配を行なった成果と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の成果により、計画通り平成27年8月初旬にマーモセット周産期を迎える準備を整えることに成功した。これによって、本年7月から12月の期間で集中的にマーモセットの顎顔面領域の成長発育と咀嚼、嚥下、発声などの口腔諸機能について、世界初となるX線3D動画などを用いた観察・記録が期待される。
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Causes of Carryover |
マーモセットは大変高価な動物であり、しかも本研究の目的達成のためには妊娠確約が担保されなければならない。そのため、マーモセット購入に際しては、極めて慎重にすすめる必要があり、初年度(平成26年度)では、妊娠成立を担保とした、特別条件でマーモセット雌雄1対を購入し、その成果を確認してから、他の2組の妊娠確定を担保とした雌雄対購入をすすめる方針で行なうことを、関連する大学事務と相談して決定したため、結果的に次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度も、前年度同様に、妊娠確定を担保とした2組の雌雄対購入をすすめる計画であり、そのための資金として使用する。
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