2015 Fiscal Year Research-status Report
高含有大豆イソフラボン代謝産物を用いた口腔乾燥症に対する効果とその作用機序の検討
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26463198
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
梁 洪淵 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10298268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 裕子 日本薬科大学, 薬学部, 准教授 (50367306)
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ドライマウス / イソフラボン / 女性ホルモン / エストロゲン / シェーグレン症候群 / 口腔乾燥症 / 酸化ストレス / エクオール |
Outline of Annual Research Achievements |
ドライマウスは唾液分泌量が減少する多因子性の疾患で、口腔乾燥感、飲水切望感、食物摂取困難だけでなく、味覚異常、齲蝕、歯周病や口腔内の疼痛などの誘因となりQOLを著しく低下させることが知られている。本症の病因は未だ明らかではないが、加齢と共に発症率は高くなり、特に50歳代の更年期前後の女性に多く発症する疾患であることが報告されていることや、動物実験においても卵巣摘出したマウスでは唾液分泌量の低下が生じ、これらのマウスにエストロゲンを補充することにより分泌量が改善することも示され、我々の動物実験においても加齢に伴い唾液分泌量が減少するマウスがエストロゲンと競合的に作用するイソフラボンの摂取により明らかに唾液分泌量が改善することを認めた。ヒトにおいては、過去の論文で、更年期障害の患者に行われているエストロゲンの補充療法により口渇感の改善も報告されている。これらのことより、本研究ではドライマウスを呈する閉経後の女性に高含有大豆イソフラボン摂取による唾液分泌量や唾液中の酸化ストレス、主観的評価の変化を確認したが、唾液分泌量や酸化ストレスなどに変化を認めなかった。しかしながら、対象者をイソフラボンの一種であるエクオール産生の有無で分けて解析した結果、主観的評価の項目に有意差を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究において、対象者とするボランティアの参加者が当初の予定より不足しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はさらに対象者を選定(エクオール産生者を増やす)して、臨床研究の対象者の拡大を図る予定である。対象者人数を増やし、唾液分泌量、摂取後の酸化ストレス等、主観的評価の変動を確認する予定である。
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Causes of Carryover |
臨床研究において対象者の人数が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在まで研究に参加された対象者の人数が想定されていた人数に至らなかったこと、さらにデータ解析に時間を要し、動物実験の結果を踏まえて動物実験で得られた結果から対象者の条件や摂取期間を変更して、今後ボランティアを募る予定である。
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