2014 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
26463227
|
|---|
| Research Institution | Kurume University |
|---|
Principal Investigator |
加悦 美恵 久留米大学, 医学部, 講師 (80330869)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 紀巳子 久留米大学, 医学部, 教授 (80268953)
中山 麻由 久留米大学, 医学部, 助教 (30713218)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | 看護技術 / 車椅子移乗 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
複数人で実施するケアの代表といえる車椅子移乗介助場面を取り上げ、被介助者、介助者それぞれの身体的負荷を客観的に評価するために予備実験を重ねた。
まず、被介助者の条件について検討した。端坐位は何とか維持できるが、自力で立てない、歩けない、ほぼ全介助の状態と設定した。次に、介助者二人で行う車椅子移乗方法について検討した。条件として、安全を考慮し、介助者は被介助者と互いの重心を近づけること、人が立ったり座ったりするときの自然な動作を妨げないことを基本とし、移乗方法の検討を重ね、以下の2種類の方法に決定した。一つめの方法は、被介助者の腰部を介助者二人で左右両側からはさむようにして立ち上がり、車椅子へ移乗させる方法である。この左右から腰部を支える方法を以下、「左右支持法」と表すことにした。二つめの方法は、被介助者の真正面から介助者が腰臀部を支えながら立位を支え、もう一人の介助者が、被介助者の後ろ側から両手で腰臀部を一緒に支える方法である。この前後から支える方法を、「前後支持法」と表すことにした。左右支持法と、前後支持法の2種類の車椅子移乗方法をそれぞれ3回ずつ実施し、被介助者、介助者それぞれの身体的負荷を客観的に評価する。内容は、心拍数、呼吸数、身体接触部位の圧力および主観的評価である。これらから、介助者、被介助者にとって安全で快適な複数介助者で行う車椅子移乗の方法を探る。予備実験の過程で測定用具の変更や移乗方法、環境設定などを行い、詳細なプロトコールが完成した。本実験にまで至らなかったが、今年度定めた実験方法で次年度実験をすすめデータを採取する予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
車椅子移乗介助時に介助者が身体接触した際の被介助者にかかる圧力を、当初、圧力測定プレスケールフィルムで計測する予定にしていた（本フィルムは圧力の大きさにより赤く発色する仕組みを持つ）。しかし、フィルムを購入して移乗動作時の発色を確かめたところ、専用スキャナで圧力数値の変換を試みても十分な値が得られなかった。そこで、圧力計測器を再検討し、携帯型接触耐圧測定器パームＱを身体に数か所に貼ることで即座に圧力値を得ることがわかった。圧力計測装置の変更のために、倫理委員会への申請も遅れてしまい、全体に達成が遅れている状況である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
倫理審査で承認され、被験者の所属する組織の許可を得られた。今後は、平成27年度の研究計画を変更し、被験者を募集して、実験を行う。実験内容は平成26年度の研究計画の遂行にあたるため、平成27年度の計画を変更して実施する。内容は、二人で行う車椅子移乗介助時の介助者、被介助者それぞれの心拍数、呼吸数、接触圧力および主観的評価を得るものである。これらのデータ収集後、動作解析、筋電図測定の予備実験に入り、平成28年度に本実験を行うよう準備する。その際、倫理申請も行う必要がある。
最終的には介助者、被介助者にとって安全で快適な複数介助者で行う車椅子移乗の方法を探る。
|
| Causes of Carryover |
物品費として購入した電動ベッドならびに標準車椅子を定価の3分の一以下で購入できたため、残額が生じた。また、予備実験で測定装置の変更があったために、倫理委員会の審査が遅れ、本実験を実施できなかったため、被験者への謝金支出がなかった。測定装置の変更に伴い、被介助者が使用する寝具、寝衣も実験データに影響しない素材のものを選ばなければらなず、購入できていない状況である。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、本実験にて被験者への謝金、実験補助者への謝金を支出し、採取データを入力するためのパソコンを購入する予定である。実験データへの影響を考慮した素材の寝具・寝衣を購入する予定である。
|
