2014 Fiscal Year Research-status Report
外来がん治療におけるオーラルマネジメントに基づいた看護実践モデルの開発
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26463335
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鷲見 尚己 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 准教授 (30372254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 三穂 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 講師 (00431312)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がん化学療法 / がん放射線療法 / 口腔管理 / 口腔ケア / 歯科連携 / 看護実践 / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、先行研究のレビューを行い、国内外におけるがん化学療法および放射線療法における口腔トラブルとその介入に関する知見の整理を行った。国内における口腔管理に関しては、院内外の歯科領域との連携が進められている現状にあるものの、治療前からの看護師の介入に関する現時点での報告は少ないことから、エビデンスの集積が求められていることが明らかになった。個別ケア介入や典型事例に関するケーススタディを実施するために、大学病院で外来および入院治療により化学療法を受ける消化器がん患者を対象に、治療前からの歯科介入による口腔管理と看護師の口腔ケアの実施、患者のセルフケアなどをインタビュー調査とカルテ調査により実施した。患者自身は治療前から行う口腔管理の必要性については概ね理解しているが、実際に積極的な歯科処置の必要性については、十分理解していない場合もあった。全事例において、治療前から歯科介入されている状況ではなく、また、看護師による口腔ケアへのケア介入も担当看護師の判断に任されていることが多く、予防的な子口腔ケア指導を含めてケア方法には課題があることが明らかとなった。特に、口腔粘膜炎の有無や状態の観察に対する認識は高いが、口腔内乾燥および義歯や残歯の状況を含めた口内環境の観察が十分ではない。また、口内の状態に応じた栄養管理に関して積極的介入ができていなかった。先駆的に化学療法および放射線療法時に口腔管理を行っている施設でのヒアリングでは、個々の看護師の口腔ケアへの意識が高いこと、歯科医師と歯科衛生士との連携が密に行われていることが連携促進の重要な因子であることが明らかとなった。しかし、治療時に確実に口腔内トラブルが生じる口腔領域への放射線療法以外では、治療に伴う口腔管理およびケア介入時の課題が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
事例検討およびヒアリング調査を行っているが、予定していたカルテ調査による現状調査の実施が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
①平成26年度に予定していた、カルテ調査の実施する。 ②外来で化学療法を受ける患者のニーズ調査 ②患者へのケアにかかわる看護師の口腔ケアに関する課題等の調査 を実施する。
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Causes of Carryover |
予定していたカルテ調査による現状調査の実施が完了せず、人件費を中心に研究費の使用が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
①物品費300,000円:カルテ調査、配票調査・インタビュー調査のための経費、質問紙の印刷、書籍購入、データ分析のための統計ソフトの購入など予定 ②旅費30,000円:平成26、7年度の成果発表および次年度計画の情報収集に向けての学会参加費用など予定 ③人件費・謝金100,000円:カルテ調査、配票調査、インタビュー調査実施の補助(発送資料作成、調査先リスト作成、発送作業、データ入力など)についての協力者への謝金など予定 ④他100,000円:配票調査の郵送費および学会誌投稿時等の送料などを予定
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