2014 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中患者の再発予防行動継続のための行動科学理論を適用した看護支援モデルの構築
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26463353
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
冨澤 栄子 四国大学, 看護学部, 講師 (60709096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 綾子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10227275)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 再発予防行動 / 行動科学理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,脳卒中患者の再発予防行動の継続要因を明らかにするとともに,脳卒中患者の再発予防行動を継続するための看護支援モデルを構築することである.平成26年度は,脳卒中患者の再発予防行動(食事,運動,喫煙,飲酒,血圧セルフモニタリング,服薬管理,定期受診など)の実態と脳卒中患者の再発予防行動の継続要因ついて検討した.研究協力病院の倫理審査委員会の承認を得て,協力病院外来に通院している初発軽症脳卒中患者(入院時NIHSS 4点以下,退院時mRs 2以下,認知症患者は除外する)に対して,現在行っている再発予防行動の有無,再発予防行動を行っている場合は,その行動内容と頻度,さらに再発予防行動継続状況,セルフ・エフィカシー(自己効力感)について質問票を用いて聞き取り調査を実施した.脳卒中患者が行っている再発予防行動の内容と継続要因(恩恵と負担)について内容分析を行い,さらに再発予防行動の促進要因と阻害要因の検討を行った. 再発予防行動の内容について,内容分析を行った結果,【血圧管理】【血流管理】など4つの疾患管理行動と【身体活動】【食事管理】など6つのライフスタイル改善行動があり,さらに【家族・友人のサポート】【職場のサポート】などの2つの環境要因の存在が明らかとなった. 再発予防行動の継続要因(恩恵と負担)について,内容分析を行った結果,【症状の改善・悪化予防の認知】【習慣化や目標設定という行動の変化】の恩恵と【体の動きづらさの実感】【我慢続きの食事療法】の負担を感じていることが明らかとなった.脳卒中患者がもつ特有の負担に対する支援が重要である. 再発予防行動の促進要因と阻害要因の検討については,症例数が少ないことから,さらにデータを集積し,結果の一般化に向けて調査を重ねていく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再発予防行動の評価尺度作成のための予備調査は概ね終了した.現在は,尺度原案を作成中である.平成27年度は,内容妥当性の検討と表面妥当性の確認のための調査を実施し,再発予防行動の評価尺度を作成する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,データを集積するために協力病院を増やし,できるだけ短期間のうちに本調査を終え,尺度の作成ができるように進めていく.また,得られた成果を国内・国外の学会にて発表する予定である.さらに,並行して介入プログラムの内容を検討し,速やかに介入が開始できるよう進めていく.
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Causes of Carryover |
平成26年度は,主に聞き取り調査によって質的研究で研究を進めてきた.そのため対象者は,12名にとどまった.そのため,謝金の使用額が予定より少額であった.平成27年度は,尺度原案から量的なデータを集積することが必要となるため,研究参加施設を募り,対象者数を増やしていく予定である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,尺度作成のための本調査および介入プログラム作成を予定している.より多くの研究参加施設を募ること,調査のための謝金,アンケート用紙印刷,データ入力,分析のための人件費,プログラムの作成のための費用等に経費を要する.また,研究の成果を国内・国外の学会にて発表する予定である.
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Research Products
(3 results)