2015 Fiscal Year Research-status Report
気になる子どもを含む発達障がい児の外来受診時における包括的支援プログラム開発
Project/Area Number |
26463426
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
宮城 由美子 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (20353170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 美智代 西九州大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00336158)
田中 美樹 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (60405561)
青野 広子 福岡県立大学, 看護学部, 助手 (50733870)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 外来看護 / 発達障がい児 / 気になる子ども / 外来受診 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「気になる子ども」を含む発達障がい児が安心して当たり前の医療を受けるために,外来受診における困難場面と外来スタッフの対応困難を明らかにし,外来における具体的支援内容及び方法を検討し,支援プログラムを開発することを目的としている.そのため実施計画として①外来受診時における母親の困難場面,及び医師,看護師を含んだ外来スタッフの対応及び対応時に伴う困難など現状の把握を行い,課題を抽出する.②診療科の特徴となる診察方法、治療処置についての視覚的構造化を図るためのツールを開発することを目的とした.結果平成26年度からの実施計画が遅れ27年度に繰り越したため、①の母親の困難場面は発達障がいと診断された子どもを持つ母親に限定し15名のインタビューを終え、課題として限定した医療機関でしか受診できず,症状出現してもできるだけ受診せず家庭で様子を見るなど我慢をしたり,待合室での理解が得られにくく、居場がないことや短時間で診察が終わるため,もっと診てほしいという思いなどが明らかになった.一方外来スタッフの対応および対応困難に関する調査は,922名(回収率58.3%)の回答が得られ79.7%が発達障がいの子どもの受診経験があった.一方で発達障がい児の特性の認知は,22.2%であった.職種にかかわらず対応困難としての課題は,子どもの突発・衝動的な動きであった.これらの課題から今年度は小児科診療科特有の診察,治療処置に関連する場面の抽出を行うため,臨床スタッフよりヒアリングを行った.平成27年度の研究実施計画で海外における発達障がい児に対する医療現場の視察として,研究者1名が視察し情報収集を行い現在小児科診療場面におけるツールの作成にむけデザイン専門の研究協力者と協議中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成27年度研究実施計画は①海外における発達障がい児に対する医療現場の視察、②診療科におけるヒアリング,③ツールの作成,④ツールのトライアルと26年度からの聞き取り調査の実施と分析であった.調査の実施と分析は終了し課題が明確になった。そのため小児科診療におけるヒアリングを実施した.しかし予定していた眼科,耳鼻科,皮膚科における診療科のヒアリングの実施にあたり医師会との調整が難航したため進んでいない.また当初ツールの活用を行うため,平成28年2月から3月にオーストラリアでのクリニック視察とともにトリプルPについて受講予定であったが,研究代表者および分担者のカリキュラムの問題(3月まで看護学実習が入ったため),また研究代表者の異動などにより日程調整が合わず渡濠ができなかった.オーストラリアからトリプルpの講師が来日される3月末に併せ研究者2名がトリプルpについては受講を行った.平成27年にはツールのトライアルが実施できなかったがこの受講により平成28年度には現在進行中のツールの完成を行い,そのツールの活用方法を明確にしトライアルの実施ができると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成28年度は以下の点を行う. 平成27年度から遅れている計画の①ツールの完成,②ツールのトライアル,平成28年度計画の③効果的な支援の明確化,④ツールの修正,⑤外来スタッフの支援プログラムの開発である。 平成27年度の小児科診療におけるヒアリング内容と今年度耳鼻科,皮膚科,眼科の診療科におけるヒアリングを実施集積しデータの統合化を図り,気になる子どもを含む発達障がい児が安心して受診できるための効果的な支援内容を明確化する.さらに27年度から作成準備している視覚的構造化のためのツール完成とトライアルを行う.支援内容とツールを融合させ,視覚的構造化を用いた外来スタッフの支援プログラムの開発を行う. 平成27年度に難航した医師会との調整は年度末に行い、平成28年度に各診療科のヒアリングを予定している. また平成27年度に分析した発達障がいの子どもをもつ保護者への聞き取り調査結果,および小児科,眼科,皮膚科,耳鼻科診療科における質問紙調査結果について現在投稿準備中である。
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Causes of Carryover |
分担研究者が海外視察として,発達障がい児施設に行ったが,当初予定していた旅費より安価になり359円の端数が生じた為.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度のその他の支出としてプリンタートナー費に使用する.
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