2016 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative cultural study on the use of nonverbal channels in the emotional display
Project/Area Number |
26503016
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
曹 美庚 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30351985)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感情伝達 / 非言語コミュニケーション / 主チャネル / 感情コミュニケーション / 普遍性 / 比較文化 / 日韓比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,感情表現における非言語行動の日韓比較研究を行った。感情伝達に用いられる複数の非言語コミュニケーション・チャネルには優先性があり,感情を伝える際に,感情ごとに優先的な主チャネルが異なることを検証することを研究目的としている。 各感情伝達において認知的に選好されるチャネルの調査と実験室での感情伝達の実験調査の結果から,日本と韓国のいずれにおいても,感情ごとに異なる主チャネルが存在することが明らかとなった。 認知的な選好チャネルは,「愛,同情」の感情伝達においては日韓ともにタッチ・チャネルを選好される割合が高く,「恥,誇り」の感情伝達においては身体チャネルが選好され,「怒り,悲しみ,嫌悪,恐怖,罪悪,当惑」の感情伝達においては顔チャネルを選好する割合が高かった。「感謝」の感情伝達においては,日本では身体チャネルが,韓国ではタッチ・チャネルが選好され,日韓の間に認知的な選好チャネルの類似性と相違点が明らかとなった。 実験室における感情の伝達実験においては,日本の場合,「罪悪,恥,悲しみ」では身体チャネルが,「嫌悪,怒り,喜び」では顔チャネルが,「愛,同情」ではタッチ・チャネルが主チャネルとして優先的に使用されていた。一方,韓国の場合は,「悲しみ,恐怖,嫌悪,怒り,喜び」では顔チャネルが,「同情」ではタッチ・チャネルが主チャネルとして用いられ,「罪悪,恥,誇り,当惑」においては,身体チャネルと顔チャネルの二つが,「感謝,愛」においては顔チャネルとタッチ・チャネルの二つのチャネルが優先的な主チャネルとして使用されていることが明らかとなった。 このような結果は,感情伝達における非言語チャネルの使用様態には,文化的普遍性と文化特異性の両側面が存在することを示唆するものである。 最終年度において,査読論文の執筆と関連学会で発表を行い,研究成果の開示に努めた。
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