2015 Fiscal Year Research-status Report
女性宇宙飛行士の乳がんリスクにおける年齢および妊娠出産の関与
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26506027
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
西村 まゆみ 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 主任研究員 (70218204)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発がんリスク / 乳がん / 妊娠・出産経験 / 中性子線被ばく / ラット / 女性宇宙飛行士 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、女性の宇宙飛行士の防護に着目し、影響の最も大きい1-2MeVの中性子線(ICRP103, 2007)について、0.05 Gy、0.2 Gyおよび0.5 Gyの被ばくによる乳がんリスクの線量効果関係を明らかにし、また、被ばく時の年齢 (15週齢、35週齢)および妊娠・出産によりリスクがどのように増減するのかも明らかにする目的で実験を進めている。 27年度は昨年度に引き続き、残りの照射群の設定を継続し、7月ですべての実験群の設定が終了した。 また、週1度の乳腺触診および隔週での体重測定、毎日の健康観察を継続した。 腫瘍からの出血による貧血の個体や、腫瘍成長のため人道的エンドポイントと判断される個体、あるいはその他の理由でるい痩、運動低下等の症状が出た個体は、放射線医学総合研究所の実験動物倫理により、安楽死を施したのち、解剖を行い病理解析および分子生物学的解析のためのサンプリングを行った。27年度末までに15週齢および35週齢照射群(ガンマ線および中性子線)と、経産中性子線照射群が共に約6割の解剖が終了し、経産ガンマ線照射群の3割について解剖が終わり、病理学的解析のための標本作製をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
7月に最後の実験群の照射を行い、15週令照射群、35週令照射群および経産群合わせて約400匹の設定が終了した。個体は隔週で体重測定、週1度の乳腺触診を行い触知した腫瘍の記録を継続した。腫瘍の腫大、あるいは出血等で貧血や人道的エンドポイントと判断された動物について順次、解剖を行い、分子生物学的解析のためのサンプルおよび病理解析用の組織を採取した。27年度末までに約6割の解剖が終わり、病理標本の作製に移っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年8月頃までにはほぼすべての動物の解剖が終了するため、すべての腫瘍の病理学的解析を行い、被ばく時年齢によるRBEを求める。また乳癌と診断された腫瘍については、ホルモン受容体(ER,PR)およびHER2、Vimentin、E-cadherinなどの免疫染色からサブタイプの解析を行い、特に経産経験のあるラットに生じた乳癌の特徴を調べる。また、凍結保存した乳癌のサンプルを用い、ゲノムに生じる変異やメチル化の解析をアレイCGHおよびメチル化アレイをもちいて解析を行う。
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Causes of Carryover |
予想以上に解剖が多く、分子生物学的解析の物品購入が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分子解析用の消耗品の購入
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Research Products
(1 results)