2016 Fiscal Year Annual Research Report
Vitiligo Vulgaris of Japanese Black Cattle living in the restricted area of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident
Project/Area Number |
26511002
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
佐々木 淳 岩手大学, 農学部, 助教 (60389682)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 病理学 / 黒毛和牛 / 福島 / 帰還困難区域 / 放射線 / 白斑 / 地方病性牛白血病 / 東京電力福島第一原子力発電所 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、福島県帰還困難区域内の2カ所の牧場(Y牧場、I牧場)で飼育・維持されている黒毛和牛について、皮膚にみられる多発性白斑の経過観察とともに、帰還困難区域外でみられた白斑牛についても調査を行った。さらに、長期間にわたる低線量被曝と疾病の因果関係を明らかにする目的で、黒毛和牛8例の病理解剖を行った。 Y牧場では6月に1例の新たな発症例を確認した。I牧場の14例のうち、白斑が重度にみられた1例では白斑数の顕著な減少と色調の減弱が認められた。帰還困難区域外である福島県二本松市および長崎県小値賀町でそれぞれ1例ずつ白斑牛の存在を確認してその調査を行ったところ、いずれも帰還困難区域でみられる白斑と病変が一致していた。以上の検索結果より、白斑は可逆的変化であり、空間線量が減少した今年度に新たな発症がみられ、さらに非被爆牛でも白斑が認められていることから、白斑の発症には被爆が直接的に関与している可能性は低いことが示唆された。 剖検を実施した8例のうち、4例を白血病と診断した。いずれの症例も血清中の牛白血病ウイルス抗体が陽性を示し、臨床的には起立困難、眼球突出などがみられた。肉眼的には、心臓、第四胃壁、脊髄硬膜外脂肪組織、眼窩内脂肪組織などに髄様腫瘍性病変が認められた。組織学的には、異型性を示すリンパ球様腫瘍細胞が病変部に充実性に浸潤、増殖しており、それらは免疫組織化学的にBLA-36、CD20、CD5に陽性を示し、CD3に陰性であったことから、B細胞性リンパ腫と診断した。これらの検索結果より、放射線誘発性白血病を否定し、従来報告されている地方病性牛白血病と診断した。その他、1例では巨大な腎周囲膿瘍がみられ、3例には著変は認められなかった。いずれの症例にも被爆の影響を示す病理学的な所見は一切認められなかった。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 福島県の帰還困難区域内における黒毛和牛の病理2016
Author(s)
平谷佳代子、佐々木淳、岡田啓司、佐藤至、佐藤洋、夏掘雅宏、伊藤伸彦
Organizer
福島第一原発事故による周辺生物への影響に関する研究会
Place of Presentation
京都大学原子炉実験所 事務棟大会議室(大阪府熊取町)
Year and Date
2016-08-04 – 2016-08-04
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[Presentation] 牛(黒毛和牛)における放射性セシウムの体内動態2016
Author(s)
夏堀雅宏、佐藤至、岡田啓司、佐々木淳、佐藤洋、出口善隆、千田広幸、和田成一、柿崎竹彦、上野俊治、寳示戸雅之、小山田敏文、菊地元宏、味戸忠春、伊藤伸彦、村田幸久、佐藤衆介、大澤健司
Organizer
福島第一原発事故による周辺生物への影響に関する研究会
Place of Presentation
京都大学原子炉実験所 事務棟大会議室(大阪府熊取町)
Year and Date
2016-08-04 – 2016-08-04
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[Presentation] 福島県警戒区域内で継続飼育される黒毛和牛の被ばく状況2016
Author(s)
夏堀雅宏、佐藤至、岡田啓司、佐々木淳、佐藤洋、出口善隆、千田広幸、和田成一、柿崎竹彦、上野俊治、寳示戸雅之、小島貴文、伊藤伸彦、村田幸久、佐藤衆介、大澤健司
Organizer
福島第一原発事故による周辺生物への影響に関する研究会
Place of Presentation
京都大学原子炉実験所 事務棟大会議室(大阪府熊取町)
Year and Date
2016-08-04 – 2016-08-04
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