2017 Fiscal Year Research-status Report
安定的な米供給の実現のための灌漑水田・天水低湿地・天水畑地間の最適資源配分の導出
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26520304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 謙介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80391431)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2019-03-31
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Keywords | ネリカ / タンザニア / 作物モデル / ORYZA / APSIM / パラメータ決定 / モデル妥当性検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、熱帯半乾燥地域の中でも近年稲生産国として着目されているタンザニアを例に、圃場試験・モデリングおよび経済分析の各手法を統合することにより、灌漑水田・天水低湿地・天水畑地間の最適資源配分の導出方法を開発し、延いては安定的な米供給の実現に資することを目的とするものである。 平成29年度には現地への訪問は行わなかったが、タンザニアにおける天水ネリカ普及JICAプロジェクトであるTANRICEの長期専門家から、まず2017年8月にスカイプで研修内容に関する詳細な聞き取りを行った。次に解析に必要なデータについては、2017年8月と2018年3月にメールを通して情報を入手しモデル解析を実施した。すなわちタンザニアにおける同プロジェクトの2013以降5年間に渡るタンザニア全土の各地におけるのべ29回のネリカ栽培研修会における詳細なデータを入手した。その中には各研修会に参加したのべ1179名の参加者の農地における収量等の栽培データが集積されている。現在、それらのデータを統計的に解析を行うとともに、これを用いて各地・各年にAPSIM-Ozyzaを完全天水畑地と仮定して走らせ収量解析を実施している。 一方でタンザニア各地においてネリカ導入を、農民における既存栽培作物のネリカへの置換ととらえた場合の、ネリカの収量だけではなく、既存作物の種類および収量、およびそれらの各作物の販売収入についても考察の対象として、本当にネリカ導入に対する農民の意欲を測定する手法について、文献調査も含めて検討を行いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査は行わなかったものの、現地に長期にわたって滞在し、ネリカ研修を過去5年にわたって実施してきたJICA長期専門家の協力を得て、重要なデータを入手してモデル分析を進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は直接の現地滞在を行うことができなかったので、平成30年度には再び現地調査を行う予定である。すなわち7月から8月にかけてタンザニアの天水ネリカ普及プロジェクトのベースであるアルーシャをベースにして2ヶ月程度滞在し、その間に10カ所程度の普及サイトをJICAの協力を得て訪問し、農家に対する聞き取り調査、現場での気象・土壌データの収集等を行い、モデル分析に必要なデータを収集する。また他作物との比較分析を実施するために、イネ以外の作物に関する聞き取り調査も行う。
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Causes of Carryover |
当該年度には、他作物との比較を踏まえた農家のネリカ導入意欲の測定に関する理論構築を優先させ、当初予定していた現地調査を実施しなかったために、次年度使用額が生じた。しかしながら平成30年度には当初の予定より長期間に渡って現地調査を行うとともに、タンザニア国内の多数地点にわたって調査を行う予定であるため、その金額について使用していく計画である。
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