2016 Fiscal Year Annual Research Report
Use of spent mushroom substrates as roughage stimulating rumination
Project/Area Number |
26520305
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
神 勝紀 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (40215166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 豊 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (00542911)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2017-03-31
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Keywords | きのこ / スイートコーン茎葉 / 発酵 / サイレージ / 反芻 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:26年度と27年度の研究結果から、乳酸発酵させた茎(FCS)を柔軟化させたものは,滅菌後の接種孔の確保と培地表面の平滑化を行えば,培地原料として利用できるが,栽培期間が長くなるという欠点もあった。最終年度の28年度は,FCSの水洗処理による栽培期間延長の防止(実験1),ならびにFCS廃培地サイレージの反芻刺激効果(実験2)について検討した。 方法:実験1.長さ13 mmと28 mmに切断したスイートコーン茎葉を乳酸発酵させた後に水道水で水洗し,この水洗FCSを培地基材としてエノキタケの栽培試験を行った。実験2.実験1で水洗処理の有効性が認められなかったので,処理していないFCS(長さ13 mmと28 mm)を基材としてエノキタケ栽培試験を行い,この廃培地をサイレージ化してめん羊に給与し,反芻行動に及ぼす影響を調査した。 結果と考察:実験1.水洗によってFCSの乳酸含量は1/10程度になり,pHも上昇した。エノキタケの菌廻り日数は,対照区と比較してFCS区では延長されたが,水洗処理区では延長は殆ど認められず,水洗処理の有効性が示されたが,その後の生育は水洗処理区において遅くなり,最終的に水洗処理は栽培期間の延長を防止し得なかった。実験2.FCSの長さはエノキタケの生産性に影響しなかったため,その後の動物実験では28mmのものだけ用いた。FCS廃培地サイレージの品質は概ね良好であり,さらにこれのめん羊における嗜好性は一般的なコーンサイレージやイタリアンライグラス乾草と同程度に良好であることが明らかになった。FCS廃培地サイレージを給与しためん羊の反芻時の咀嚼時間および回数は,常法で生産されたエノキタケ廃培地サイレージよりも向上しており,一般のコーンサイレージに近い数値を記録した。以上から,28mmのFCS廃培地サイレージは,反芻刺激を持つ粗飼料になり得ることが示唆された。
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