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2015 Fiscal Year Research-status Report

カニ類と微生物の連携的なセルロース分解に着目したマングローブ炭素循環モデル

Research Project

Project/Area Number 26520308
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

足立 亨介  高知大学, 自然科学系, 准教授 (00399114)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 池島 耕  高知大学, 自然科学系, 准教授 (30582473)
Project Period (FY) 2014-07-18 – 2017-03-31
Keywordsマングローブ / 炭素循環 / カニ / 土壌 / 腸内細菌 / セルロース分解
Outline of Annual Research Achievements

昨年度採取した調査地の複数点の土壌の5部位(上部、中部、下部、巣穴、土下10cm)、および複数種カニの腸内細菌の16SrRNAを用いたメタゲノム解析を行った。またDeng1994の手法に従い両者のもつセルロース分解活性も測定した。
腸内細菌のメタゲノム解析では種を問わずProteobacteria門、Bacterioroides門、Firmidutes門が優占的で全体の約80%を占めた。カニの種ごとに見ると
E. versicolorおよびP.indiarumでは例外個体はあるもののProteobacteria門が全体の40%以上を占めるが、N.smithでは30%程度と異なる菌叢を示した。また全個体から強力なセルロース分解能を有すると見られるCellulomonadaceae属の細菌が見出された。
E. versicolor、P.indiarum、N.smithの腸内細菌の有するセルロース分解能は各々104.2、71.8、51.6mg還元糖/kg糞/24時間と算出された。
土壌細菌のN. smithiメタゲノム解析では全試料でProteobacteriaが全体の60%程度を占めた。腸内細菌と同様にほとんどの試料でCellulomonadaceae属の細菌が見出された。
上部、中部、下部、土下10cmでのセルロース分解能は30mg還元糖/kg土壌/24時間と算出されたが、巣穴でのみ56mg還元糖/kg糞/24時間と高い値が観察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上述のとおり腸内細菌、土壌でメタゲノム解析を行いセルロース分解菌の存在を示した。また実際の酵素アッセイによって両者のセルロース分解能を示している。マングローブ土壌のセルロース分解能は数多くの報告があるものの、そこに生息するカニの腸内細菌による同活性を見出したのは本研究がはじめてである。基質を混和した培養プレートを準備し、そこに試料を塗布することでセルロース分解菌の単離も試みたが満足の行く結果は今のところ得られていない。しかしながら申請した内容で残された大きな課題は、カニの消化液、腸内細菌、土壌の三者によるセルロース分解のみであることからおおむね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

カニの消化液、腸内細菌、土壌の三者単独、もしくはこれらを組み合わせたセルロース分解反応系を構築し、各々の試験区で分解速度を算出する。前年度、本年度の結果を総合的に考えれば単位面積当たりの落葉量が、カニ消化液・腸内細菌・土壌微生物、いずれの要素(優占種)によってどれくらいの量、どの位まで分解されているのか、生態系における分解量を定量的に解析することが可能となる

Causes of Carryover

予定していたタイでのサンプリングを行わなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度以降のサンプリング、もしくは試薬代。

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Published: 2017-01-06  

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